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メジャーリーグのスカウトになりたい。日米の独立リーグを経験した22歳がロサンゼルスで挑戦中【インタビュー】

2019/08/23

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角谷剛

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カラバイヨ氏を通じて米国野球に触れる

 元イチロー選手の引退で幕を開けた2019年のメジャーリーグ。それとほぼ時を同じくして、ロサンゼルス近辺に集まるメジャーリーグのスカウトや関係者達の中で「イチロー」の愛称で呼ばれ始めた日本人の青年がいる。臼井一郎氏(22)だ。
 
 臼井氏が生まれたのは1997年。イチロー選手(現マリナーズ会長付特別補佐)がNPBの4年連続首位打者を獲得した年だ。臼井氏は今、メジャーリーグのスカウトになりたいという夢を追って、現地の野球アカデミーで指導アシスタントとして働きながら、スカウトたちが集まる場所へ飛び込む毎日を送っている。
 
 まだ22歳と若い臼井氏は昨年までは自身がスカウトされる立場の現役選手だった。福島県出身の臼井氏はいわき光洋高校を卒業したのち、2016年にルートインBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに入団した。同チームには元オリックス・バファローズのフランシスコ・カラバイヨ氏が当時在籍していた。そのカラバイヨ氏に帯同してオフシーズンをフロリダ州でトレーニングしたことが、臼井氏が米国野球に触れるきっかけとなった。
 
「カラバイヨさんにも勧められて、アリゾナのスカウトリーグ(*1)に申し込みました。そこで思ったより活躍出来て、ニュージャージー・ジャッカルズ(*2)と言うチームと契約することが出来ました」
 
*1. Arizona Winter League. 2018年シーズンに参加した臼井氏は14試合に出場し、打率5割の成績でリーグMVPと首位打者を獲得している。同リーグは2019年度からCalifornia Winter Leagueに併合されている。
 
*2. New Jersey Jackals. カナディアン・アメリカン・リーグに加盟しているチーム。同リーグは米国とカナダにまたがるプロ野球独立リーグで、選手のレベルは2Aと同等程度だと言われている。
 
 全米からプロ志望のアマチュア選手が数百人集まるスカウトリーグで、このシーズン終了後にプロ契約に至ったのはわずかに5人。その数少ない1人になったのだから、臼井氏の野球選手としての実力はかなりのものだったはずだ。だが、この独立リーグで臼井氏は米国野球のレベルの高さに打ちのめされたと言う。
 
「米国で野球をやるからには、独立リーグからマイナーリーグへ進み、さらに上を目指していこうと思っていました。だけど、実際にプレイしてみると、米国野球のレベルはぼくが想像していたものよりずっと高いものでした。体が小さいこともあって(筆者注:臼井氏の身長は168センチ)、守備と走塁をアピールしたかったのですが、ぼくよりすっと大きくて、パワーが凄くて、それなのにぼくより足が速い選手がたくさんいるのですから」

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