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両打ちとの対決も実現 新たな野球規則を作らせた両投げ投手、MLBデビュー

現地6月5日、ボストン・レッドソックス対オークランド・アスレチックス戦で、左右両投げの投手がデビューした。その名は、パット・ベンディット。メジャーの舞台では1995年以来のスイッチピッチャーが誕生した。

2015/06/07

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「パット・ベンディット」ルールも

 今月30日に30歳を迎えるパット・ベンディットは度々話題にはなっていたものの、ヤンキースの組織で7年間マイナーリーグ生活が続いていた。昨オフにはアスレチックスとマイナー契約を結び、ここまで3Aの試合に17登板して防御率1.36と好投を続けていた。そしてついにメジャー昇格を手に入れた。

 クレイトン大学で学生時代をともに過ごし、プロ入り後もオフには地元ネブラスカでルームシェアをしていた、フィリーズに所属するダーリン・ラフはベンディットのメジャー昇格のニュースを喜んだ。ラフは2009年ドラフト20巡目でフィリーズ、ベンディットは2008年ドラフト20巡目でヤンキースから指名を受けた。ラフは一足先に2012年メジャーデビューを果たしており、クレイトン大学出身者としては彼以来のメジャーリーガー誕生となった。

 ラフや大学のチームメイトにとっては見慣れた光景だが、両投げの投手は特別な存在になるだろうとラフは語った。

“I played him in high school, too, and then obviously being on his team, it’s normal for us because we’re around it everyday. But yeah, for people who see it for the first time, and to be as successful as he has doing it is something special.”
「高校でも対戦していたが、同じチームでプレーするようになってからは毎日目にしていたので自分たちにとっては普通のことだった。だけど、初めて目にする人にとっては(特別だろうし)、彼ほど(あのスタイルで)結果を残しているのは特別なことだ」

 異色の両投げの誕生は、審判らにとってはルールブックに再び目を通し復習する必要がありそうだ。2008年に「パット・ベンディット」ルールが作られた。同じ年に1Aの試合でスイッチヒッターの打者と対戦したことをきっかけに新たな野球規則が加わったのだ。それがメジャーの舞台で活用される日がやってきた。

 ルールの内容は、以下の通りだ。

投手は球審、打者および走者に、投手板に触れる際にどちらかの手にグローブをはめることで、投球する手を明らかにしなければならない。投手は打者がアウトになるか塁に出るか、攻守交代になるか、打者に代打が出るか、もしくは投手が負傷するまでは投球する手を変えてはいけない。投手が負傷したために同じ打者の打撃中に投球する手を変えれば、その投手は再び投球する手を変えることは出来ない。投球する手を変えた場合は準備する投球練習は与えられない。投球する手を変える場合は球審に明瞭に示さなくてはいけない。

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出典: Switch-Pitcher Venditte fires two shutout frames By JANE LEE in MLB.com on June 5 2015
Phillies Ruf excited for college teammate, switch-pitching Pat Venditte By JAKE KAPLAN in Philadelphia Inquirer on June 5 2015
A’s switch-pitcher Venditte debuts with 2 scoreless inning By JOHN SHEA in San Francisco Chronicle on June 5 2015

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