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ダルビッシュ有の4勝目に見る新たな姿。劇的に向上する数字…後半戦の制球力良化を象徴する対戦も

2019/08/05

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 シカゴ・カブスは4日(日本時間5日)、本拠地リグレー・フィールドでミルウォーキー・ブリュワーズと対戦。ダルビッシュ有投手が先発登板し、5回を1失点に抑える好投で自身4勝目をマークした。ダルビッシュの成績はシーズンが進むごとに様々な部門で良化しており、終盤戦や来季に大きな期待がかかる。チームは3連勝で地区首位をキープしている。
 
 この日が今季23試合目の登板となったダルビッシュは、初回先頭打者には右前安打を許す立ち上がり。2番は一ゴロ併殺打に斬って取った。しかし、鬼門はMLB本塁打王の3番クリスチャン・イェリチ外野手。フルカウントからの外角へのカットボールを左翼席に運ばれ、先制ソロ本塁打とされた。後続は3球で一ゴロに打ち取り、この回を1失点で終えた。
 
 2回も先頭を左前安打で出し、ミスも重なって無死一、二塁のピンチを背負うが、ここからは中飛、空振り三振、空振り三振と圧倒した。3回は先頭を見逃し三振に斬ると、続く打者を遊ゴロ。ここで打席には先制ソロのイェリチを迎えたが、ここも遊ゴロであっさりと切り抜けた。4回は三振、一ゴロ、三振と安定感抜群の内容で三者凡退で終えた。5回は不運な当たりもあり2安打を許したが、3つの三振を奪って無失点に抑え、マウンドを降りた。
 
 試合はその後、打線が得点を重ね、救援陣も踏ん張って7-2とカブスが勝利。ダルビッシュは5回93球(うちストライク68球)を投げて被安打5、被本塁打1、与四球0、8奪三振で1失点(自責点1)、4勝目を挙げた。
 
 ダルビッシュは前半戦苦しむ場面が多かったが、オールスターを挟んで成績は大幅に良化。前半の18試合では97回で防御率5.01、被安打81、被本塁打20、与四球49、奪三振111だったが、後半戦はここまで29回を投げて防御率2.17、被安打21、被本塁打3、与四球2、奪三振38。WHIP(1回あたりに許した走者数)は前半の1.34から0.79、K/BB(1四球を出すまでに奪う三振数)は2.27から19と劇的に向上している。
 
 ゾーン内で制球良く勝負できるダルビッシュの真骨頂は、この日の4回、ベン・ギャメル外野手との対戦。直球、カットボール、カーブ、カットボール、スライダーを織り交ぜて追い込むと、フルカウントからはカットボールを連投して3球連続でファウル。最後はスライダーで空振り三振に斬った。我慢に我慢を重ねて粘り勝つ姿は前半戦とはまるで別人。2位と1.5ゲーム差で地区首位を走るカブスにとって、ダルビッシュの存在が大きくなってきそうだ。