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他球団は導入に否定的 メッツ6人制ローテを採用でMLBに定着するか

メッツがいよいよ先発6人制を採用する。MLBでは先発を5人で回すのが一般的であり、6人制に対して否定的な意見が多い

2015/06/04

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先発6人制にすれば故障が軽減するのか

 昨年のオールスター前日の会見で、レンジャースのダルビッシュ有は、先発投手の中4日登板について言及した。

 メジャーリーグでは先発5人制が一般的だ。
 その考えに対して、ダルビッシュ有は昨年のオールスター前日の記者会見(ミネソタ州ミネアポリス)で『中6日あればヒジの炎症が取れる』と発言し、メジャーリーグの常識に一石を投じた。

 この発言は、現地で大きな波紋を呼んだ。FOXスポーツ、ESPN、ニューヨークタイムズなど、大手のメディアが一斉に報じたのは記憶に新しい。日米で監督経験のあるボビー・バレンタインもダルビッシュの発言に賛同した。
 そんな出来事から1年ほどが経過した。

 バレンタイン同様、日本でも監督経験のあるテリー・コリンズ監督(メッツ)が、先発6人制を実施することが話題となっている。
 しかしながら、現地では否定的な意見のほうが多い。

 現在、FOXスポーツのアナリストを務めているクリストファー・ニコースキーは、2007~08年に、ソフトバンク・ホークスに在籍。2年間セットアッパーとして85試合に登板した。そんな日米を知る左腕は自身の記事で、先発6人制を、Dumb idea (愚かな発想)と、一刀両断している。

The Tommy John epidemic is real, and searching for an absolute answer as to why elbow ligaments are snapping at an alarming rate has escaped even the best orthopedic doctors in baseball. An answer to the question is not so simple. But I wonder if the six-man rotation would at least alleviate some of the injuries plaguing pitchers in this generation.
トミー・ジョン手術(ヒジの靱帯移植手術)が大流行しているのは事実だ。チームドクターがヒジの状態を注意深くチェックしていても、ただならぬ確率で切れている。我々はその確固たる理由を探し続けているが、その答えは簡単ではない。しかし、先発6人制を導入したからといって、投手たちを悩ませている数々の怪我が軽減するのかどうかは解らない。

 二コースキーは先発5人制とヒジの靱帯損傷に明確な因果関係はないと指摘しており、さらに別の視点で見た場合でも、メジャーでの先発6人制は現実的ではないと考えている。

If I’m paying a starting pitcher north of $20 million per season, do I really want to use him 18 to 20 percent less than I am now?
もし私が球団のオーナーとして、とある先発投手に1年2000万ドルを支払っていたとしよう。その投手の登板機会が18~20%減ってしまうことを、私が望むと思うかい?

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