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エンゼルスがロングビーチに移転すれば費用は1200億円超。ドジャースとの棲み分けが課題か

2019/05/15

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ロングビーチ市とは

 ロングビーチ市はロサンゼルス郡とオレンジ郡のちょうど中間地点に位置する港湾都市だ。チーム名を「ロサンゼルス」としながらも、これまではエンゼルスのファン層はオレンジ郡、ドジャースのファン層はロサンゼルス郡と棲み分けが出来ていたわけだが、ロングビーチは伝統的にドジャース・ファンが多く、エンゼルスが新たなファン層をこの地で獲得するのは難しいかもしれない。例を挙げると、昨年9月にドジャースのオーナーグループに加わった元テニス女王のビリー・ジーン・キング女史はロングビーチの出身で、子供の頃からのドジャース・ファンであったとインタビューで語っている。
 
 エンゼルスのチーム設立は1961年。以来60年近くに及ぶ長い年月をかけて築き上げたファン層があるロサンゼルス近辺から離れる選択肢はないようではあるが、ドジャースと競合するロングビーチは地理的に見るとあまり良い条件とは言えないだろう。
 
 実は球団創設まもない1963年にもエンゼルスをロングビーチへ誘致する計画が持ち上がったことがあった。エンゼルスはそれまでドジャー・スタジアムを間借りしていた。当時のロングビーチ市長ジョン・マンセル氏がチーム名を「ロングビーチ・エンゼルス」とすることを主張し、エンゼルスの初代オーナーであるジーン・オートリー氏に拒絶された経緯がある。
 
 大谷翔平は2024年末までエンゼルスに保有権があり、マイク・トラウトの12年契約は2031年末まで続く。日米のスーパースターが在籍するエンゼルスは華やかな話題に事欠かない。チームの行き先がどこに落ち着くことになるのか、これからも注目を集めることになるだろう。
 
    
角谷剛

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