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“絶対的オープナー”圧巻の球威でレイズをけん引 MLB新トレンドは「第2先発」も重要な存在

2019/05/12

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今季10度目の起用で快勝に貢献

 タンパベイ・レイズが11日(日本時間12日)、本拠地トロピカーナ・フィールドでのニューヨーク・ヤンキース戦に7-2で快勝。ライン・スタネック投手が今季10度目の“オープナー”で流れを引き寄せる好投を見せた。
 
 アメリカン・リーグ東地区の首位に立っているレイズは、今季“オープナー”を主として務めているスタネックが先発。2回26球(ストライク16球)を投げて被安打1、無四球、奪三振1、無失点の好投で良い流れを作り、打線もヤンディ・ディアズ内野手が2本塁打を放つなど奮起して7-2で勝利を収めた。
 
 この日スタネックが投じた球は、最速99.4マイル(約160キロ)の速球をはじめ、最速89.8マイル(約144キロ)のスプリット、そして最速89.7マイル(約144キロ)のスライダーの3球種。193センチから投げ下ろされる球はいずれも球威があり、ヤンキース打線を圧倒した。
 
 スタネックにとってこれが今季15試合目の登板で、最近5試合連続を含めて10度目の“オープナー”。この新戦略での登板に限れば、計15回2/3を投げて被安打9、与四球2、奪三振17、失点3で、防御率1.72という安定感を誇っている。
 
 一方、本職のリリーフで登板した際は、5試合で計4回1/3を投げて被安打6、与四球2、奪三振2、失点2で防御率4.15と、イニング数は少ないものの先発時より成績を落とすという傾向が出ている。

昨季は「第2先発」の新人投手が16勝を挙げる活躍

 レイズは、ジョー・マドン前監督が積極的に極端な守備シフトを採用し、他球団もそれに追随。一気にメジャーリーグ全体に広がった。そして、本来リリーフである投手が先発し短いイニングを投げるこの“オープナー”という戦略も、レイズが採用し始めたのを機にメジャーリーグに波及し、現在では先発投手が不足しているチームにとっては「トレンド」となっている。
 
 またレイズは昨季、スタネックが29試合で“オープナー”を務めたが、当時ルーキーの左腕ライアン・ヤーブロー投手が主に「第2先発」として活躍。全38試合のうち32試合でリリーフ登板し、ア・リーグ12位タイとなる16勝(6敗)をマークした。この戦略を成功とするためには“オープナー”だけでなくロングリリーフとなる「第2先発」も重要だということを如実に表した。
 
 今季はヤーブローだけでなく、この日3回から4イニングを投げたヨニー・チリノス投手やジェレン・ビークス投手が「第2先発」を遂行。ここまでヤーブローが2勝、チリノスは3勝、ビークスも2勝をリリーフとしてそれぞれ挙げており、これによって“オープナー”が地区首位を走る要因の1つとなっていると言えるだろう。
 
 先発として任務を遂行できる投手、そしてそれを受け継ぐ投手とともに試合を作り、若手有望株が中心の打線がそれに応えて得点を重ね勝利をもぎ取るスタイルが、昨年に続いてチームに完全に浸透した。
 
 レイズはここまで24勝16敗で勝率.632。チームトップの6勝を挙げている先発右腕タイラー・グラスノー投手が右前腕を負傷し最大6週間の離脱となったことは痛手だが、ケビン・キャッシュ監督の下“オープナー”などあらゆる戦術を駆使して、名門ヤンキース、底力のあるボストン・レッドソックスが所属する激戦区で今後もし烈な争いを続けていく。

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