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菊池雄星「ここで結果を出すんだ」米国デビューで実感 メジャー初勝利ならずも今後に意欲

2019/03/30

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強力打線のRソックス相手に6回3失点

 シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が29日(日本時間30日)、本拠地Tモバイルパークでのボストン・レッドソックス戦に登板し6回3失点と好投したが、9回に逆転を許してメジャー初勝利はならなかった。
 
 菊池は東京での開幕2戦目以来、中8日のマウンド。米国、そして本拠地での最初の試合で堂々の投球を見せた。
 
 相手は昨季のチャンピオンチームで強力打線が持ち味のレッドソックス。菊池は初回を三者凡退に抑えると、味方打線の2本の本塁打によって2点を先制した直後にザンダー・ボガーツ内野手にソロ本塁打を浴びたものの、後続を打ち取りリードを守る。
 
 その後、菊池は本来の実力を発揮する。150キロ前後の速球に加えてスライダー、カーブ、チェンジアップなどを効果的に駆使して3回、4回と三者凡退。レッドソックス打線に怯むことなく投げ込み、本拠地シアトルのファンを熱狂させた。
 
 6-1とリードした5回には無死一、三塁のピンチを背負ったが、併殺打の間の1失点に留め踏ん張ると、6回は昨季アメリカン・リーグ最多本塁打の主砲J.D.マルティネス外野手にソロ本塁打を浴びたものの、引きずることなく後続の打者を抑えてマウンドを降りた。
 
 菊池はこの日、6回86球(ストライク55球)を投げて被安打4(本塁打2)、無四球、奪三振5、失点3(自責点2)。勝利投手の権利を持ってリリーフ陣に託したが、6-4と2点リードで迎えた9回にクローザーのハンター・ストリックランド投手が代打ミッチ・モアランド内野手に逆転3ラン本塁打を浴びてメジャー初勝利はお預けとなった。
 
 6-7で逆転負けを喫したマリナーズは34年ぶりの開幕4連勝はならず。試合後、菊池は自身の投球について「(自分に)自信が持てる部分と、世界一のチームの強さを実感した試合だった」と話し、「プレッシャーは特になく楽しみにしていた。緊張よりも早く投げたいという思いで待ち遠しかった」と試合に臨む際の気持ちを明かした。
 
 打たれた2本の本塁打は「2本とも甘く入った球ではあったが、そこを完璧に捉えられて、紙一重というか“力があるなぁ”と感じた」。それでも、「指に掛かった良いボールは空振りや差し込むことも多かったので、そこは自信にして良いのかなと」と、手応えを口にしている。
 
 メジャーデビュー登板は日本だったが、今回は米国での“デビュー戦”。6回3失点と言う内容ながら勝ち星は手に出来ず、それでも「アメリカに来たんだ、ここで結果を出すんだと、より一層実感が湧いてきた」とこれからの長いシーズンに向けて意欲を示した。
 
 この日チームは敗れたものの、前日の5本塁打に続きこの日も3本塁打が飛び出すなど打線の破壊力には目を見張るものがある。菊池が今日のような投球を重ね、自ら思う課題を修正していくことができれば、メジャー初勝利や2桁勝利はそう遠くないはずだ。
 
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部