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“チームの”エースになる力がある。菊池雄星、イチローの言葉を胸にシアトルでの活躍誓う【雄星リポート第1戦】

シアトル・マリナーズが21日、オークランド・アスレチックスとの開幕2戦目を勝利で飾った。菊池雄星投手にとってはメジャー初、イチロー外野手にとってはメジャー最後となった試合。2人の間には共有した数カ月という期間以上の思いがある。

2019/03/22

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イチローのエールを正面から受け止めた菊池

 一方、イチローも、来日の記者会見では菊池に対して、この世界で生きていくために大事なこととして、こんなエールを送っている
 
「どの選手にも言えることですけど、まず、3年しっかり結果を残して、そこでエースになってもらう。ここからだと思います。今年、彼は頑張るわけですけど、その年のエースになるような選手は、毎年生まれるものです。でも、3年やってしっかりとしたチームのエースになることはなかなかできることではない。ただ、雄星の場合は、その力があるとみんなが感じている。まずはしっかり3年、結果を残して欲しいと思う」
 
 2001年、それほど日本人メジャーリーガーの成功者がいなかった時代、野手としての扉を開きにやってきたイチローは、アメリカの厳しさを肌で感じて知っている。ただ、厳しいだけでなく、そこから結果一つで周囲の目が変わっていくこと、そして続けることが大事なのだと伝えたかったのだろう。
 
 メジャー初登板の菊池は、4回3分の2を投げて1失点でマウンドを降りた。
 あとアウト1つで勝利投手の権利を得られるところでの悔しい登板となったが、菊池は「球数が予定より多くなっていましたので、最後に打たれたバッターまでだと思って投げていました。メジャーリーグの慣わしの中でやっていかないといけないですし、次の宿題として繋げていけるようにしたい」と前向きだ。
 
 この記者会見では、イチローとの思い出を問われると、およそ1分間、言葉が詰まって沈黙するシーンがあったが、最後に「イチローさんからの言葉でこれからの人生に刻みたいことはあるか」と問われると、キッパリこう答えた。
 
「とにかく結果を出せ、と。1年目から結果を出すことで、みんなが認めてくれる。それを3年間続けてねっていう話をしていただきました。その言葉を本当に今後も大事にしていきたいと思います。イチローさんは日本でやることがギフトだとおっしゃっていましたけど、僕にとってはイチローさんとプレーできたことが最高のギフトだったと思います」。
 
 来週からシアトル・マリナーズはアメリカ本土での開幕を迎える。
 28日からの4連戦では菊池の先発も見込まれている。相手は昨季のワールドチャンピオンに輝いたレッドソックスだ。
 
 イチローの言葉を胸に、菊池はシアトルでの戦いの舞台へ向かった。
 
 
氏原英明

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