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シンダーガードは直球を増やすべき? MLB公式がデータをもとにさらなる進化のカギを分析

2019/03/04

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”雷神”の魔球論争、シンカーvs直球…その結論は?

 記事は、昨年のシンダーガードの直球の平均回転数の少なさに着目。MLB平均を下回る、わずか2170回転/秒に留まったことを指摘した。直球の回転数が高いほど打者は空振りしやすくなるため、昨年のシンダーガードの直球の空振り率は14.5%と平凡な数字。MLBトップの平均2618回転/秒を誇るヒューストン・アストロズのジャスティン・バーランダー投手の空振り率が29.3%であることを考えると、その差は顕著に表れている。
 
 だが、直球で多くの空振りを奪えないことはさほど大きな問題にはならない、と記事は分析。シンダーガードが優秀な数字を残せるカギは、速球派にありがちな奪三振率の高さではなく、ゴロ率の高さだからだ。そして、キャリアを通じて60%前後を誇るゴロ率のカギとなっているのが、「速くて回転しない」=ゴロになりやすい直球と、鋭く沈む=ゴロになりやすいシンカーのコンビネーションなのである。
 
 この複雑な分析の結論としては、「直球のクオリティを高め、投じる割合を増やすことは悪いことではないが、シンカーとのコンビネーションありきの『ゴロのための』直球であり、三振を奪いにいくのは賢明ではない」といったところになる。
 
 データ分析は冷静な結論を導いたが、シンダーガードは思わぬ進化を遂げるかもしれない。今季も”雷神”の投球から目を離す暇はなさそうだ。

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