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未契約の大物キンブレル、両リーグ東地区で争奪戦か あのCY賞投手も好奇心爆発「欲しい!」

2019/03/03

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Getty Images



ハーパーの行方も絡み状況が激変…

 ボストン・レッドソックスからフリーエージェント(FA)になって未だ所属先が決まっていないリリーフ右腕のクレイグ・キンブレル投手に対して、ワシントン・ナショナルズと古巣アトランタ・ブレーブスに獲得の可能性があることが分かった。米公式サイト『MLB.com』が2日(日本時間3日)、伝えている。
 
 昨季42セーブを挙げてレッドソックスの5年ぶりの世界一に貢献したキンブレル。オフにFAとなり、レッドソックスから再契約の可能性がほとんどないことがこれまでに報道されていることもあり、シーズン開幕が間近に迫った今も所属先が決まっていない。
 
 通算333セーブを誇るメジャー屈指のクローザーであるが、同サイトでは「5~6年で総額8000万ドル(約89億6000万円)~1億ドル(112億円)の契約を目指している」としており、その年数と金額の高さもネックになっているの現状。
 
 しかし、米メディア『MLBネットワーク』のインサイダーであるケン・ローゼンタール記者によれば「ナショナルズが興味を持っており、長期契約を申し出る意欲があるかもしれない」と報告。また、米スポーツサイト『ESPN』のケイス・ロウ記者もこれに関し「双方の話し合いは報道されているよりもずっと先に進んでいる」と契約が現実味を帯びていることを明らかにしている。
 
 現在ナショナルズのリリーフ陣には昨季25セーブを挙げたショーン・ドゥーリトル投手、昨季までマイアミ・マーリンズに所属し通算67ホールドを挙げているカイル・バラクロウ投手らがおり、キンブレル加入となれば一気に層の厚さが出てくる。そして何より、マックス・シャーザー投手やスティーブン・ストラスバーグ投手、そしてオフに新加入したパトリック・コービン投手で形成する先発陣が強力なので、リリーフ陣の強化は総合的な投手力向上に繋がるだろう。
 
 一方、ローゼンタール記者はナショナルズの他にキンブレルがデビュー時から5年間活躍したブレーブスも「キンブレルを求めている」と伝えている。しかし、同氏は「おそらくブレーブスは短期契約を申し出たいと考えている」とキンブレルの希望とは離れた契約を持ちかける可能性を示唆している。
 
 ブレーブスは、今季のスプリングトレーニング(春季キャンプ)で昨季15セーブを挙げたA.J.ミンター投手が肩を負傷するなどリリーフ陣の故障が相次いでいる。短期間でも実績ある投手を補強したい緊急事態だ。さらに、同じナショナル・リーグ東地区のライバルであるフィラデルフィア・フィリーズにブライス・ハーパー外野手が加入し、ハーパーの古巣ナショナルズもキンブレル獲得に動くとなれば、昨季地区優勝を果たしたブレーブスとしても気が気ではない。それでも、現在の状況ではやはりナショナルズによる獲得の可能性が大きいようだ。
 
 そして、獲得の“ダークホース”としてもう1つのチームの存在が明らかになっている。それがタンパベイ・レイズだ。元々資金力がメジャー最低クラスとされるレイズだが、地元紙『タンパベイ・タイムズ』によれば、昨季21勝を挙げサイ・ヤング賞を受賞したエース左腕のブレイク・スネル投手が「キンブレルが欲しい!」とコメント。「彼はベテランで最高の投手だ。彼を欲しがらないチームはないだろう?」と好奇心に富んだ言葉で、先発投手として頼りになるクローザー獲得を熱望した。
 
 マニー・マチャド内野手やハーパーに次ぐFAの大物選手で、未契約の選手としてはダラス・カイケル投手と並んで注目度の高いキンブレル。シーズン開幕まであと僅かとなったところで、どのような決着を迎えることになるのだろうか。