大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



戦力を決めるのは大型契約だけじゃない! MLB公式が格安“優良FA選手”9人をオススメ

2018/11/24

text By

photo

Getty Images



先発投手、ユーティリティー選手…ベテラン選手の“もう一花”に賭ける球団はあるか

 5人目は、アトランタ・ブレーブスからFAのアニバル・サンチェス投手。かつてフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)やデトロイト・タイガースの先発ローテーションを担った右腕は、来季35歳を迎える。今季は25試合の登板で7勝6敗、防御率2.83の成績を残し、28試合の登板で防御率6.41を記録した昨季から大幅に改善。9イニング当たりの被安打数7.0も3年ぶりの1桁台に落ち着き、ゴロを打たせて取る本来の持ち味も取り戻した。今季年俸は計約7億円ほどで、先発3番手~5番手を欲する球団としては高くない金額だ。

 6人目は、ボストン・レッドソックスからFAとなったカーソン・スミス投手。2015年にはシアトル・マリナーズでクローザーを務め、70試合の登板で13セーブを挙げた右腕は、今季18試合に登板して1勝1敗、防御率3.77。2016年にトミー・ジョン手術(右肘側副靭帯再建手術)を経験し、今年6月には右肩の手術を受けてそのままシーズン終了となったが、来シーズンの復帰は見込める。今季年俸は約9400万円と高くないものの、29歳という年齢と手術の経歴が契約にどう影響するかが問題だ。
 
 7人目は、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからFAのダニエル・デスカルソ内野手。メジャー9年目の今季は打率.238、13本塁打、57打点で、本塁打と打点はキャリア最多で勝負強さも目立った。また、デスカルソの特徴は内外野を守れるユーティリティー選手であることが挙げられ、今季は二塁手で52試合に出場するなど主に内野を守ったが、昨季は外野でも36試合に出場とチームの期待に応えている。経験豊富な32歳は、若手選手の手本という大きな役割を任すことも期待され、今季年俸約2.2億円を目安にすると、金額的に大きな買い物として捉える入団は少ないだろう。
 
 8人目は、トロント・ブルージェイズからFAとなったマルコ・エストラーダ投手。今季28試合に登板し、7勝14敗、防御率5.64と大きく負け越した。防御率は4年連続の悪化となっていて、コーチングスタッフの手腕に自信がある球団しか興味を持たないかもしれない。ただ、9イニングあたりの与四球は3.1と昨季の3.4からわずかに改善していて、昨季の10勝(9敗)、2015年の13勝(8敗)のポテンシャルが復活すれば、先発ローテーションの一角を争う存在になるだろう。昨季の年俸は約14億円と高額ながら、15敗の成績からすると大幅なダウンは必至。安価で先発を手に入れられるチャンスではある。
 
 9人目は、ミネソタ・ツインズからFAのアービン・サンタナ投手。利き手である右手の中指を痛めて、今季わずか5試合の登板に終わった右腕は、球団から約15億円のオプションを拒否されFAになった。それ自体は驚くべきことではなかったが、昨季は16勝(8敗)で防御率3.28の成績を収めたのをはじめ、過去5シーズンで計53勝(44敗)を挙げ、防御率3.52としているのは評価すべき点だ。平均29試合の登板を果たしているので、この中指の負傷から回復すれば、これらに近い成績を収める可能性は十分にある。来季を36歳で迎えるので、サンタナとしてはベテラン右腕としてもう一花咲かせたいところだろう。

1 2