大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



投球内容を数字で比較 3戦目、田中将大が好投できた理由【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、4月18日のレイズ戦で7回無失点の好投で2勝目を挙げた田中将大についてだ。

2015/04/22

text By

photo

Getty Images



「三振を奪う」「打たせて取る」数値を上げる

 次に、アウトの取り方について見ていこう。三振数を四球数で割ったSO/BB、さらに三振以外のアウトをゴロアウト、フライアウト(ライナーも含む)に分類し、ゴロアウト数でフライアウト数を割ったGO/FO。

広尾様0422表2

 今季カープに復帰した黒田博樹は典型的な「打たせて取るタイプ」だった。田中の数字はどうだろうか。球を低めに集め、ゴロアウトをたくさん稼ぎながら、さらに「三振を奪う」こともできて四球が少ない。これが田中の強みだ。
 田中は2014年、SO/BBが6を超えていた。これはリーグトップクラスだ。三振をどんどん奪うが、四球は滅多に出さなかった。
 GO/FOは、1を超した。これはゴロアウトがフライアウトより多いことを意味する。「打たせて取る」投手でもあったのだ。
 さて今年はこのSO/BBの数値が低い。前回の登板で8奪三振無四球と久々に良いところを見せた。また今年はGO/FOが通算すれば1を大きく割っている。「打たせて取る」投球はまだ十分にできていないことを意味する。
 この二つの数値が改善されれば、田中は本来の投球を取り戻したといえよう。

1 2 3