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ドジャース、オーナーGに元テニス女王キング女史 球団の「社会的多様化」姿勢が鮮明化

2018/09/23

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熱心な社会運動家で自身もLGBT。パートナーのクロス女史もグループ入り

 ロサンゼルス・ドジャースは20日(日本時間21日)、同球団のオーナー・グループに元テニス女王のビリー・ジーン・キング女史が加わると発表した。
 
 ドジャースのオーナー・グループには、バスケットボールの元名選手であるマジック・ジョンソン氏も入っているが、キング女史はさらに同グループが所有するプロ女子バスケットチームのロサンゼルス・スパークの経営にも参加する予定とされている。
 
 キング女史は、ドジャースドジャーズの本拠地から近いカリフォルニア州・ロングビーチの出身で子供の頃からのドジャース・ファン。地元紙『ロサンゼルス・タイムス』の取材に応じた彼女は「まるで夢のようで信じられない。何回も自分をつねってみた」と語った。
 
 キング女史は女子テニス界の歴史において最も偉大な選手の一人と呼ばれる伝説的な元名選手であると同時に、熱心な社会運動家としても知られている。自身がレズビアンであることを公表し、パートナー関係にあるイラナ・クロス女史とともに、女性差別の撤廃と性的少数者(LGBT)などマイノリティの権利を守る運動を長年続けてきた。今回そのクロス女史もキング氏と同時にドジャーズのオーナー・グループに加わる。
 
 ドジャースもまた長年に渡りマイノリティの権利向上に組織として貢献してきた歴史を持つ。まず、1947年に黒人として初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンと契約を結び、長く続いたメジャーリーグの人種差別を打ち破った。
 
 1981年にはメキシコ人のフェルナンド・バレンズエラ投手と契約し、「フェルナンドマニア」と呼ばれたブームを生み出すと、続いて韓国人の朴賛浩投手の「コリアン・エクスプレス」、そして1995年には野茂英雄投手の「ノモマニア」と、ドジャースは常にマイノリティのスター選手をメジャーリーグに送り出し、リーグの多様化をリードしてきた。前述のオーナー・グループの1人であるマジック・ジョンソン氏も自身のHIV感染を公表するとともに、エイズに関する啓蒙活動で知らせている。
 
 キング女史がオーナー・グループに加わることによって、社会的に多様化した組織を目指すドジャーズの姿勢がさらに鮮明になることは間違いない。球団経営代表(CEO)のスタン・カステン氏はキング女史就任発表の席で「ドジャースほど社会的に大きなインパクトを残してきた球団は他にはない。だからこそ、今日この発表が出来ることを誇りに思う」と語っている。