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ア・リーグMVP争いは史上最高? 数字では測れない最も価値ある男とは

2018/09/14

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 メジャーリーグはシーズンも最終盤となり、個人成績も追い込みに入っている。米メディア『ESPN』は13日、アメリカン・リーグの今季MVP争いは「史上最高レベル」と予想し、有力候補について特集した。
 
 まずは、MVP選考で最重要となる野手のWAR(Wins Above Replacement)ランキングを見ていく。WARは打撃、走塁、守備を含めた選手の総合的貢献度を表し、あるポジションの選手が控えレベルの選手と比べてどれだけチーム勝利数の上積みに貢献したかを数値化したもので、一般的な目安として、このWARの値が2以上ならレギュラー選手、5以上ならオールスター級、8以上ならMVP級とされている。
 
 現時点でア・リーグ上位8人は以下の通りだ。
 
ムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス): 9.8
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス): 9.0
マット・チャップマン(オークランド・アスレチックス): 8.0
ホセ・ラミレス(クリーブランド・インディアンス): 7.5
フランシスコ・リンド―ア(同): 7.1
アレックス・ブレグマン(ヒューストン・アストロズ): 7.0
アンドレルトン・シモンズ(ロサンゼルス・エンゼルス): 5.8
J.D.マルティネス(ボストン・レッドソックス): 5.7
 
 7人以上の野手が同じシーズンにWAR7.0を超えたことは過去4度のみ。この数字からも今季のア・リーグMVP争いのし烈さをうかがい知ることができる。
 
 WARの値を見ると、「MVP=今季最も価値のある男」の最有力候補がベッツであることは明らかだろう。しかし、『ESPN』の記事によると、地元ボストンの記者たちからは、数字の面ではベッツに及ばないマルティネスを推す声もあがっている。
 
 ベッツのスイング軌道についてアドバイスし、その打撃開花を手助けしたのはほかでもないマルティネスなのだ。さらにレッドソックスのエースであるデービッド・プライスは、彼がチームの精神的支柱であるとも発言。今季のレッドソックスの快進撃を支えた真の立役者はマルティネスであるとの意見が多く見られる。
 
 だが、残念ながらMVP争いにおいて、これらの評判は評価を上げる要因になるとは考えにくい。最終的には数字のみが客観的に評価される。東地区首位をひた走るレッドソックス内での争いは、ベッツに軍配が上がりそうだ。
 
 記事では、アストロズのアレックス・ブレグマンも有力な対抗馬として紹介。24歳の若き三塁手は、メジャー史上初めてとなる「50二塁打・30本塁打」を記録し、100打点、100得点も達成した。カルロス・コレア、ジョージ・スプリンガー、ホセ・アルトゥーベといった主力選手たちが昨年に比べて数字を落とす一方、得点圏でのOPSメジャートップの勝負強さでアストロズ打線を牽引している。
 
 他の候補には、マイク・トラウト(OPSリーグトップ、WAR同2位)、ホセ・ラミレス(38本塁打、30盗塁)、フランシスコ・リンドーア(守備の要であるショートとしてリーグ得点王、34本塁打)、マット・チャップマン(メジャー最高の守備を誇る三塁手、OPSリーグ2位)など、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。
 
 ペナントレースは大詰めとなり、タイトル争いも熱を帯びてきたア・リーグ。最高の栄誉を手にするのはどの選手だろうか。最後まで目を離せない展開となりそうだ。