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ワンステップ投法は合法!? イチローの同僚の投球フォームが全米で話題に

イチローの同僚であるマイアミ・マーリンズのリリーフ投手カーター・キャップスが披露した投球フォームに大きな注目が集まっている。そのフォームとは投球動作中に大きくワンステップ。フォームプレートの50cm手前からリリースするという驚きのものだ。

2015/04/18

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リスクを冒してまで挑戦するチャレンジ精神

 一方でそれ相応のリスクも考えられる。まずあげられるのが故障可能性の高さ。どう見ても右足首に大きな負担がかかっており、遠からず故障で離脱するだろうというのがアメリカでの一般的な見方になっている。またワンステップはコントロールに影響を与えるという意見もある。前述のゲラはマイナー時代、ワンステップで投げていたもののコントロールがつかなかったためフォームを改良。マイナーで5を超えていたBB/9がメジャー昇格後は4.07と改善されている。

 このように大きなリスクを冒してまでワンステップ投法に挑むことに対してキャメロン記者は

But it’s probably worth trying out, especially if it helps solve his problems with left-handers. His arm-slot and his slider already makes him really tough on right-handers, but he’s been lit up by lefties in the big leagues, giving up a .404 wOBA to the 201 LHBs he’s faced in his career.
しかしこの挑戦はおそらく意味があるだろう、もしワンステップ投法が彼の対左打者問題を解決する助けになるならばなおさらだ。彼の腕の角度とスライダーは既に右打者にとって彼を打ち崩すのを困難なものにしているが、左打者に対してはこれまでに201回対戦して、wOBA(訳注:アメリカで最も信頼されている打撃指標、出塁率と同じ感覚で見られる).404と火だるまにされてきた。

 対右打者には被出塁率.294と抑え込んでいるにも関わらず、左打者には被OPS.933と打ち込まれているキャップス。このワンステップ投法の狙いの一つが課題としてあげられてきた左打者対策だったとしてもおかしくはない。若くして高い能力を持ちながら、妥協することなく工夫を続けるキャップスの心意気は尊敬に値する。

 今季はイチロー加入の影響もあり、日本でもマーリンズ戦が放映される機会が非常に多くなった。24歳のカーター・キャップス、偉大なチャレンジ精神を持った若き右腕のこれからに注目したい。

出典:Capps clears up confusion on illegal pitches by Joe Frisaro in MLB.com on Apr.14 2015
Carter Capps, Jordan Walden, and Legal Deliveries by Dave Cameron in FANGRAPHS on Apr.14 2015

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