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元巨人ドラ1村田透、メジャー昇格を目指して――マイナー4年目、30歳で迎える2015年

2007年の巨人のドラフト1位、村田透。日本球界では実績をあげられなかったが、その後アメリカにわたって、メジャー昇格を目指して日々奮闘している。昨年は3Aでも登板。果たして2015年シーズン、メジャー昇格となるか。

2015/04/17

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阿佐智



メジャーに向かって、着実に前進

 今年もメジャーリーグが開幕した。ダルビッシュの故障離脱など残念なニュースもあったが、開幕ロースターには、8人もの日本人選手が名を連ねている。しかし、今年のロースターをよく見ると、例年とは何かが違う。
 今年は新たにメジャーリーグのロースターに加わった選手がいないのである。野茂英雄が1995年にそれまでの日本球界のタブーを破り、太平洋を渡って以来20年、毎年新たな日本人の選手の名前がメジャーの歴史に名を刻んできたのだが、今年は下手をするとそれが途切れるかもしれない。
 そんな中、期待がかかるのが、インディアンスのマイナーで汗を流す村田透だ。ただし、彼は今年初めて海を渡ったわけではない。

 はずれ1位とは言え、2007年の巨人のドラフト1位。大卒からのこの指名順位は、即戦力を期待されていたことを示す。しかし、結局一軍のマウンドを踏むことなく3年で退団、アメリカに活路を求めた。そして、今年で5回目のキャンプを迎える。

 契約は6年だが、「契約はあってないようなもの」と村田は笑う。シーズン途中どころか、キャンプの時点でリリースされるのが日常茶飯事のアメリカ球界では、毎日がサバイバルなのだから。
 1年目は、1Aで迎えた。2年目は2A、3年目には、先発投手としてローテーションに入り、3Aでもデビューを果たした。4年目の昨シーズンは、2Aと3A半々で、ほぼシーズンを通してローテーションを守った。それだけでない。オープン戦ではあるが、「メジャーデビュー」を果たし、開幕前の遠征にも帯同、チームの一員としてメジャーのボールパークのベンチにも入った。ようやくメジャーの背中が手の届くところにやってきた。

 日本で不完全燃焼に終わった「野球の虫」は、さらなる高みを目指すため、中南米のウィンターリーグにも毎年参加している。1年目のパナマから、2年目以降は、ウィンターリーグ最高峰ともいわれるベネズエラに舞台を移し、メジャーリーガー相手に主力投手としてチームに欠かせない存在となっている。この冬は、ベネズエラリーグで優勝も味わった。優勝チームは、ドミニカ、メキシコ、プエルトリコ、キューバと覇を争うカリビアンシリーズに出場することになっているが、村田は、来る「本番」に備えるべく、これを前にチームを離れた。目指す場所は、カリビアンチャンピオンではなく、メジャーのマウンドだからだ。

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