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『マネーボール』の奇跡、再び? ビリー・ビーンGMが獲得した”意中の恋人”ブレイクの予感

『世界一有名なGM』こと、アスレチックスGMのビリー・ビーン。昨年オフ、この男がある選手の獲得に力を注いだ。カリスマのお眼鏡にかなった選手の名は、マーク・カナだ。

2015/04/16

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Getty Images



戦力になると判断した選手は、どんな手を使ってでも取りにいく

 カナがルール5ドラフトの対象となった時、ビーンは早速動いた。
 2014年オフのルール5ドラフトの獲得順は、1番目がダイヤモンドバックスであり、2番目がロッキーズ。どちらかのチームがカナを狙ってくると予想された。

 『FOXスポーツ』の記者、ケン・ローゼンタールは下記のように報じている。
“Remember how Athletics general manager Billy Beane became obsessed with Nick Swisher before the famed “Moneyball” draft? Mark Canha was the 2014 version of Swisher. When the Marlins left Canha unprotected on their 40-man roster, Beane went into full bond-trader mode, according to major-league sources.”
ビリー・ビーンが、ニック・スウィッシャー(現インディアンズ)がドラフトされる際、彼に異常なまでに執着していたのを覚えているだろうか? マーク・カナは、2014年バージョンのニック・スウィッシャーだ。マーク・カナがマーリンズの40人ロースター枠から外れた瞬間に、ビーンは完全なるトレーダー・モードに切り替わっていた。

 ビーンは、ダイヤモンドバックスがカナに興味がないことを知ると、すぐさまロッキーズGMのジェフ・ブリディッチに働きかけた。案の定、ロッキーズはカナを獲得していたのだ。しかし、ここからがビーンの真骨頂である。 2014年は1Aで19セーブをあげ、将来メジャーのブルペンを支えられる右腕のオースティン・ハウスとさらに金銭をつけくわえて、マーク・カナを獲得した。

 見事に意中の恋人を手に入れたビーン。自ら戦力になると判断した選手に対しては、どんな手を使ってでも取りに行く姿勢が、カリスマGMと呼ばれる所以だろう。周知のとおり、アスレチックスは資金力に乏しい。しかしながら他球団に眠る掘り出し物を格安で仕入れる手段は、まさにお家芸だ。

 開幕3戦目の4月8日。早くも5番一塁でメジャーデビューしたカナは、3安打4打点と大暴れ。10日には初ホームランも飛び出した。今のところビーンの目利きは、正しかったようだ。

『マーケットの魔術師』ビリー・ビーン。この男の飽くなき挑戦は終わらない。

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