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データで見るマエケン復活 12度の“早期決着”。9打数で5奪三振を生んだ“球種”とは

2018/06/26

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8者連続アウトは2度記録。冴えわたったカーブで打者のリズム“崩壊”

 安定感抜群の、前田本来の投球が戻ってきた。前田のこの日の投球数は7回84球。これは、今季唯一8回(8奪三振無失点)までを投げた5月17日(同18日)のマイアミ・マーリンズ戦の時、7回終了時点で89球だったペースに匹敵する“省エネ”快投だった。これは、12度にも上った3球以内の勝負が影響した。
 
 そして、ストライクも59球で全投球数に対するストライク率は70.2%と7割超え。これも17日以来今季2度目の高水準。イニング毎の投球数を見てみると、初回13球(ストライク7球)、2回14球(同11球)、3回7球(同7球)、4回11球(同8球)、5回13球(8球)、6回16球(同10球)、7回10球(8球)。
 
 初球ストライクは対戦した24人中14人で、前半5回までに12度も記録。一方、初球ボールになったケースでも9打数1安打、4奪三振1四球と抑え込む投球を披露した。
 
 アウトの内訳は、ゴロアウト5つ、フライアウト6つ、フライに飛び出した走者を仕留めた封殺1つ、奪三振9つ。三振の決め球は、フォーシーム、スライダー、チェンジアップでそれぞれ3つずつとなっており、的を絞らせなかった。
 
 4度の3者凡退が示す通り、連続アウトのケースが多く、2回2アウト目から4回3アウト目まで8者連続アウト、さらに5回1アウト目から7回3アウト目までも再び8者連続アウトを記録した。
 
 米公式サイト『MLB.com』による球種の割合は、最速92.7マイル(約149キロ)を計測した速球のフォーシームが30球、同じ速球のツーシームは6球、スライダーは18球、カーブは13球、チェンジアップは16球、カットボールは1球となっている。
 
 フォーシームは30球中22球がストライクと安定。そして、カーブは13球中半分以上の7球を初球に使い、打者のリズムを崩す試みを見せた。その効果もあってか、カーブを1球以上投げ込んだ対戦では、9打数1安打、5奪三振1四球と好成績を収めている。
 
 快晴の本拠地ロサンゼルスで、内容的にも今季最高ほどの投球を見せた前田。体調の良さが数字、結果に表れる形となり、7回を投げ終えた際には気迫の込もった雄叫びを上げた。今回と同じように次回も中5日での登板になるのであれば、順調にスケジュールが進めば次回登板は7月1日(日本時間2日)の本拠地でのコロラド・ロッキーズ戦となる予定だ。 

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