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前田健太、5四球3失点で降板 “苦痛”のタネは?球審の激辛判定…夜→昼のスライド…

2018/06/20

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毎回走者出す苦しいマウンド

 ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手が19日(日本時間20日)、敵地リグリー・フィールドで行われたシカゴ・カブス戦に先発登板したが、判定に苦しみ4回途中3失点で降板した。
 
 故障者リストから復帰2戦目となった前田は前日の中止を受けてのスライド登板。1点の援護を受けた初回は、2死から安打を許すも無失点。しかし、続く2回は2死満塁からクリス・ブライアント内野手にレフト線への2点タイムリーエンタイトル二塁打を浴び1-2と逆転を許す。
 
 3回も2死満塁のピンチを迎えたが、何とか無失点。しかし、4回に2死から安打と四球を許し一、二塁としたところでデーブ・ロバーツ監督が投手交代を告げた。
 
 前田はこの日3回2/3、74球(ストライク40球)を投げ被安打5、与四球5、奪三振2。2番手アダム・リベラトーレ投手が、タイムリー安打を浴び、前田が出した走者が生還したため、失点は3となり、防御率は3.84となった。
 
 ドジャースは、5回に見逃し三振の判定で球審に抗議したマット・ケンプ外野手とロバーツ監督が揃って退場処分。1点差の9回にはヤズマニ・グランダル捕手も見逃し三振の判定に抗議し退場を受ける事態となったが、直後に代打のカイル・ファーマー捕手が逆転の2点タイムリー二塁打を放って、そのまま4-3で勝利を収めた。

右打者の外角がボール判定、スライド登板も投球に影響か

 この日前田はとにかく判定に苦しんだ。球審のトリップ・ギブソンは、右打者への外角の際どいコースに対してことごとくストライク判定を出さず、前田はカウントを悪くしたところで四球を出したり痛打を浴びるパターンを連発。終始流れを掴むことができなかった。
 
 特に右打者に対してそれが強く表れ、この日右打者に対しては7打数2安打(うちタイムリー1本)2四球。2回にアディソン・ラッセル内野手に許した右前安打、続くクリス・ジメネス捕手に許した四球は、ともにブライアントのタイムリー二塁打で得点に繋がる形になってしまった。
 
 投球全体を通じても、初回にスライダーが引っ掛かったり、内角を狙った速球が大きく外れるなどコントロールを乱す場面もあった。最終的にストライク率は約54%にとどまり、これらが球審に判定による精神的なストレスが影響したかは定かではないが、ベンチに戻る際に首を振るなど不満を示す様子が多く見て取れた。
 
 また、復帰2戦目のマウンドがスライド登板となったことにも難しさが出た。前回の復帰戦の投球数が76球で、2戦目のこの日は90球前後が1つの目途とされたが、そういった制約を見据えた準備を重ねてきたにもかかわらず、当初の登板予定日だった18日(同19日)は降雨とまさかの停電で中止。
 
 試合開始前だったので、当日の体調の影響はなかったと思われるが、ナイトゲーム中止(深夜に決定)からの翌日デーゲーム(昼12時過ぎ開始)へのスライドということで、この日の体調管理やメンタル面の調整は難しかったのではないかと推測できる。
 
 ボール判定とされるケースは多かったが、際どいコースへの速球はどれも低めでキレもあっただけに、次回の登板では天候やスケジュールに惑わされることなく、自分の投球に集中できる環境で臨むことが期待される。