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DL入りの大谷、「常にリスクを伴っていた」。保存療法か手術か、再発防ぐには投球フォーム見直しを【小宮山悟の眼】

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が故障者リスト(DL)入りした。右肘の靭帯に損傷が見つかり、PRP(多血小板血漿)注射の措置を行ったという。2017年10月に続いてのことだが、これからの大谷がどうしていくべきなのかを考えてみたい。

2018/06/13

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再発防ぐ取り組みは? 負担少ないフォームに修正を

 手術するにせよ、しないにせよ、投手として復活を目指す限り、再発しないための取り組みが必要になる。
 
 つまり、正しい知識を持って、正しい投げ方をするということだ。
 
 大谷は投球動作の際の体重移動が上手いタイプではない。そのため、肘にストレスがかかっていた可能性も否定できない。私は現役時代、レキサス・レンジャーズなどで投手コーチを務めたトム・ハウス氏から奪三振記録を持つノーラン・ライアンがどのような身体の使い方をしていたかを教わり、学ぶことができた。身体にストレスが掛からないように投げるピッチングフォームを身につけていた。
 
 大谷も自身の投げ方を見直し、負荷がかからないフォームに少しずつ修正していく必要があるかもしれない。修正によって、今までの積み重ねで失うものもあるかもしれないが、本人がどう意識していくかだ。
 
 米国は、日本に比べて手術を一大事ととらえていない。腱の移植に関しては新しい部品にしてエンジンが良くなると前向きにとらえているところがある。そして、多くの選手が手術やリハビリを乗り越えて一段と成長しているケースがある。
 
 エンゼルスはあらゆるケースを想定し、大谷の復帰への準備をしているだろう。6年契約を踏まえて、最善の方法を導き出してくれるはずだ。来年、再来年に向けて現状から悪化することなく、好転することを願う。
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。
 
 
氏原英明

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