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前田、データで振り返る今季3勝目 完璧な投球支えた“テンポ”と軸になった“球種”とは

2018/05/18

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3球以内の決着は14度。速球は最後まで球威衰えず

 前田がオースティン・バーンズ捕手とのバッテリーで打ち取ったアウトの内訳は、ゴロアウト6、フライアウト10(内野4、外野6)、奪三振8。イニング毎の球数は、初回14球(ストライク9球)、2回13球(同10球)、3回14球(同11球)、4回14球(同9球)、5回10球(同8球)、6回13球(同9球)、7回9球(同7球)、8回9球(同8球)だった。
 
 初球ストライクを取ったのは対戦した打者26人中19人。また、各打者3球目までに0-2、あるいは1-2と追い込んだのは10度(3球目までに打ち取った打者は含めず)。さらに、3球以内で打ち取ったのは14度で、その内3球で打ち取ったのは3度の3球三振を含め11度。2球で打ち取ったのは2度、初球は1度だった。テンポ良く終始優位に勝負を運び、マーリンズ打線を支配したと言えるだろう。
 
 球種で見ると、速球が45球で最も多く、最速は5回にマークした93.7マイル(約151キロ)。8回も92.7マイル(約149キロ)を計測するなど球威は最後まで衰えなかった。速球だけでストライクは36球と軸ができていたのは大きい。
 
 次いで投球数で多かったのはスライダーの33球。以下カーブ9球(最遅は76.5マイル=約123キロ)、チェンジアップ8球、カットボール1球。スライダーを決め球として多用し、アウト13個をスライダーで取った。スライダーも軸となった球と言っていい。カーブとチェンジアップはカウントの組み立てに使用し、特にカーブは9球中5球を初球に放っていずれもストライクを稼いだ。
 
 今季最高のピッチングで3勝目を挙げた前田健太。メジャー初完投初完封はならなかったが、今後も少ない投球数でイニングを稼ぎ、勝利に貢献する働きができるか注目だ。

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