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大谷の次戦登板は強打のRソックス戦 投げ合う相手は“優勝請負人”のCY賞左腕

2018/04/16

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 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が15日(日本時間16日)に先発登板する予定だった敵地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦が中止になったことを受け、次戦登板日が17日(同18日)の本拠地でのボストン・レッドソックス戦になることが決定した。
 

ドラフト全体1位の逸材。岩村とチームメイトに

 当日のレッドソックスの先発はデビッド・プライス投手。通算128勝を挙げている左腕で、タンパベイ・レイズに在籍していた2012年には20勝を挙げサイ・ヤング賞を受賞しているリーグ屈指の実力者だ。
 
 プライスは、米テネシー州出身の32歳。ブラックマン高校、バンダービルト大を経て、2007年にドラフト1巡目(全体1位)でタンパベイ・デビルレイズ(現・レイズ)に指名され入団した。翌年2008年に早々とメジャーデビューを果たすと、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックスなど強豪がひしめくアメリカン・リーグ東地区で首位を走るチームにおいて主にリリーフを任され、5試合に登板。力みのないフォームから繰り出される約100マイル(約161キロ)の速球とカットボール、チェンジアップを武器に、球団創設以来初の地区優勝に貢献した。そして、ポストシーズンでも活躍は続き、初のリーグ優勝、ワールドシリーズ進出も経験した。
 
 なお、この時チームには2007年に東京ヤクルトスワローズから加入した岩村明憲内野手も在籍しており、二塁手、1番打者としてチームを引っ張っていた。
 

2012年に20勝を挙げ初のサイ・ヤング賞受賞

 その後もプライスのキャリアは順調に積み重ねられていく。メジャー2年目の2009年に先発投手として10勝を挙げると、2010年には前半戦で12勝を挙げてオールスター選出、先発投手も務めた。この年は最終的に19勝をマークしている。
 
 2011年は12勝、2012年にはついに20勝の大台に乗せ、自身初の最多勝と最優秀防御率、最高勝率でサイ・ヤング賞を受賞。しかし、2013年は利き腕の左腕を痛めて故障者リスト入りを経験するなどし10勝に終わる不本意なシーズンを過ごした。
 
 そして、2014年にその実力を買われトレード期限ギリギリでデトロイト・タイガースに移籍。この年は2チームで計15勝を挙げるとともに計271奪三振を記録し、初の最多奪三振のタイトルを獲得した。また、チームの地区4連覇にも貢献するシーズンとなった。
 
 2015年は再びトレード期限間近でトロント・ブルージェイズに移籍すると、ここでも新天地の不安を吹き飛ばす活躍を見せ、計18勝をマーク。22年ぶりの地区優勝に貢献し、すっかり優勝請負人のイメージが付いた。
 

2016年からRソックスに在籍。昨季はケガに苦しむ

 2016年からは現在のレッドソックスに在籍。初年度こそリーグ最多の35試合に先発し、17勝を挙げるなど活躍しチームの3年ぶりの地区優勝に貢献したが、翌2017年は左肘を痛めて開幕から故障者リストに入り、復帰後の7月にも同箇所に炎症を起こして再度故障者リストに載せられることとなった。最終的に6勝止まりで終える屈辱的なシーズンを送った。
 
 迎えた今季のスプリングトレーニングは、オープン戦で12イニングの投球にとどまるなど引き続き慎重な調整となったが、その甲斐あって開幕後は良いスタートを切った。初登板となった3月30日(同31日)のレイズ戦では7回を投げ初勝利。続く2戦目も7回無失点の好投を見せ、3戦目は1回4失点でKOされたものの、3戦を通じて十分戦える身体に回復したことを証明した。
 
 レッドソックスは15日(同16日)現在13勝2敗で地区首位を快走中だ。勝率.867はメジャー最高の数字。もちろん投打ともに好調で、チーム打率.275はリーグ2位、防御率2.58もリーグ2位と牙城は高い。
 
 投手デビューから2連勝で登板3戦目を迎える大谷だが、J.D.マルティネス外野手という大砲が新たに加わったレッドソックスの強力打線にどう立ち向かい、どのような結果を残すのか期待するとともに、プライスとの投げ合いにも注目したい。もし投げ勝つことができれば、大谷の評価はさらに急上昇するだろう。