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メディア対応、アメリカへの環境……田中将大に備わる適応力

今季、田中の結果が出るまで、ヒジのコンディションについての指摘は後を絶たないだろう。記者の質問も苦笑しながら、ジョークでかわした。

2015/03/06

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記者の意地悪な質問も、ジョークでかわす

 アメリカでは、特に体が出来上がっていない若い頃の酷使がその後の故障につながりやすいと考えられている。また、若手に限らず「投手の肩やヒジは消耗品」との考えが一般的で、試合中のみならずブルペンでの投球数も厳しく制限されている。しかし、田中には異なる環境への適応力が備わっていた。

 田中は、パッサンの質問にこう答えている。
「確かに日米間に大きな差があります。ぼくは日本では比較的ブルペンでは多くの球数を投げないほうでしたが、こっちの投球数制限はもっと厳しかった。でも、ブルペン以外でのキャッチボールで調整できるので、それほど問題にはならなかったですね。コーチやスタッフはどうしたいのかどんどん言ってくれ、と促してくれますし」

 彼は新しい世代の一員だが、パッサンはかつての日本人投手の考え方は田中のそれとは異なっていたと主張する。そして「旧世代」の代表として村田兆治を紹介している。

In 1981, Choji Murata, one of Japan’s finest pitchers, tried everything to avoid surgery on his elbow. Acupuncture, massage ? anything to avoid flying to Los Angeles to meet with Dr. Frank Jobe, the genius behind the original Tommy John surgery. When asked why he was so stubborn, Murata uttered a phrase that embodied Japanese baseball as well as any.
“A man should pitch until his arm falls off.”
1981年、日本有数の投手である村田兆治はヒジの手術を避けるために全ての手を試みた。鍼療法、マッサージなどだ。それらはトミー・ジョン手術の権威フランク・ジョーブ博士のいるロサンゼルスに飛ぶこと以外の全てだった。なぜそこまで(手術を避けることに)頑ななのか?と尋ねられた村田の返答は、日本野球をなによりも象徴するものだった。
「男というものは腕がもげ落ちるまで投げ続けるべきだからです」

 ちなみに、パッサンは2年前に高校時代の安楽智大投手(現楽天)を題材に、日本の高校野球での投手酷使を非難する記事を発表したことがある。

 村田のエピソードを教えられた田中は苦笑し、賢明にもこうジョークでかわしたそうだ。
「腕がもげ落ちたら左手で投げるしかないですね」と。

 現地時間3月3日からヤンキースのスプリングトレーニング・ゲーム(オープン戦)がスタートしたが、田中の初登板は来週になると見られている。慎重な調整は続く。2015年のヤンキースの命運は彼のヒジのコンディションに懸かっているのだから。

出典:” Why Masahiro Tanaka isn’t worried about the health of his elbow”@ Yahoo! Sports by Jeff Passan in Mar. 2nd 2015

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