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トミー・ジョン手術回避のリスクは大きかった? 全米が注目する田中将大の右肘

昨年右肘を故障した際にトミー・ジョン手術を回避した田中将大。アメリカ国内では、その選択にはいまだ疑問の声も上がる。間近に迫ったキャンプイン。田中の右腕に大きな注目が集まっている。

2015/02/17

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ニューヨーカーの一番の心配は、田中の「right elbow」

 故障から復帰するA-rod、老朽化しつつある打線も心配だ。しかしキャンプインを間近に控えた今、ニューヨーカーの一番の心配は田中将大の健康状態ではないだろうか。アメリカの田中に関する報道は、ほとんどすべての記事に「right elbow」(右肘)という単語がつきまとっている。
 
 田中将大の2014年がセンセーショナルなものだったことは疑いようがない。20試合の登板にとどまったものの、ヤンキース史上初となるオールスター前の12勝を含む13勝5敗、防御率2.77、伝家の宝刀であるスプリットを武器にイニング数を上回る三振も奪った。そして何よりも大きいのがメジャーデビューから16先発連続QSを記録し、故障者の相次いだ投手陣を黒田博樹とともに支えたことだろう。
 
 それだけに右肘の故障が判明した時には、多くのヤンキースファンが絶望感を味わった。特にトミー・ジョン手術を回避したことについては賛否両論が集まっている。確かに手術を回避したことでチームがかろうじてポストシーズン争いに踏みとどまっていた昨年9月に2試合の登板が実現した。今シーズンのキャンプスタートから投げることができるのも保存療法ゆえだろう。
 
 しかしその代償として、田中の肘は”いつ爆発するかわからない不安”を常に抱えることとなった。『CBS SPORTS』は以下のように指摘している。
 
The truth is nobody knows when, or if, Masahiro Tanaka’s torn elbow ligament is going to go, but when it does go, he’s not pitching again for at least a full calendar year.
Normally, it would be a routine thing. Faced with such an injury, most pitchers would cut their losses and elect for Tommy John surgery, but by coming back late last year, Tanaka committed himself to a far less predictable course.
田中将大の肘の靭帯がいつ裂けるのか、実際に裂けるのか本当のところは誰にもわからない。しかしそうなってしまった時、彼は少なくとも1年は投げられない。通常、こうした怪我に見舞われた投手はそのほとんどが損傷(した靭帯)を切り、トミー・ジョン手術を選ぶ。しかし昨年の後半、田中は予測できないコースへと身を委ねた。

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