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【MLB】背水の陣の前田健太。絶不調を脱するために必要なこととは?【小宮山悟の眼】

今季ここまで1勝2敗、防御率8.05と苦しいピッチングが続いているロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手。16勝を挙げ新人王候補にも名を連ねた1年目から一転、なぜ2年目はここまで成績が落ち込んでしまったのか。長いイニングを投げた上で好成績を残すため、何が必要になるのかを小宮山悟氏が語る。

2017/04/28

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原点に立ち返り1つひとつ問題の解決を

 改善点としては、原点に立ち返るしかない。1アウトずつ取っていくことを心掛けていく。彼がPL学園から広島に入った時に、最初から、7・8回投げられると思っていたのか、と。プロ野球のレベルが分からない中で、何とかプロ野球選手として頑張らないといけないという思いで投げていたことを思い出してほしい。メジャーリーグはそう甘くないのだ。
 
 さらに言うと、去年は16勝もしたわけだが、メジャーではそういう投手は丸裸にされる。各球団のスコアラーがどれだけ前田を研究しているのか。オフの長い時間を掛けて、ランナーの有無、バッティングカウント、投げている球種、すべてを丸裸にして、統計を出している。それがダグアウトの中に用意されていて、打者が前田を打つために用意されるものは本当にすごい情報があるのだ。
 
 まずは一つひとつクリアしていくことだ。去年のような感じで投げることができれば今よりは抑えられるはずだ。現時点では自分から崩れてしまっている。先を見ているために、勝負にいくボールが高い。技術的なトラブルなのか、メンタル的なものなのかは本人しか分からないことだが、しっかりと原点に立ち返って本人が解決していくしかない。
 
 次の登板でまた同じような酷いピッチングをしたら、ローテーションから外される可能性がある。そうならないためには、背水の陣で臨まなければならない。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

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