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青木はサンフランシスコにフィットする――球界で最も長打力を欠くも、マギー&青木のNPBコンビでピストル打線形成へ【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

青木宣親が、昨年の王者・ジャイアンツと契約する。昨季の世界一球団も、オフに主砲クラスが相次いでFA離脱。そこに青木加入では長打力不足が懸念されるが、総合的な攻撃力では侮れない。青木も十分な出場機会がありそうだ。

2015/01/17

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昨年は、メジャー最少の本塁打数のロイヤルズがワールドシリーズ進出

 また、サリバンは三振が少なく四球を選ぶ能力があり、左投手も苦にしないなどの青木の美点を挙げ、何かと指摘されがちな走塁や守備での問題点も懸念するほどではないとしている。
 
 ジャイアンツでの出場機会はどうだろう。今季のジャイアンツの外野は、レフトがグレゴリー・ブランコ、センターがエンジェル・パガーン、ライトはハンター・ペンスという布陣だ。このうち、ブランコは青木と似たタイプの左打ちの単打者だ。ブランコに勝てば、レギュラーとしての出場が望める。また、パガーンも故障がちで、フル出場には疑問が残る選手だ。
 
 ところで、サンドバル、モースを失い青木とマギーという元NPBコンビを加えたジャイアンツ打線の攻撃力はどうだろう。
 
 この記事によると、セイバー・アプローチによる今季の予想本塁打数では、ジャイアンツは108本で断トツの全球団最下位だ。しかし、各野手の今季の予想WAR(メジャー最低レベルの選手に比較し、どれだけ勝利数増に貢献できるかを示すセイバー指標)の合計値では、予想本数が196本で30球団中トップのオリオールズと大差ないようだ。
 本塁打は極めて重要なものの、攻撃力を構成する全てではないということだろう。
 事実、青木が昨季在籍したロイヤルズは、メジャー最少の95本塁打ながらワールドシリーズに駒を進めた。また、ジャイアンツも12年には両リーグ最少の103本塁打で世界一になっている。
 
 このオフの就活には予想以上に時間が掛かり、契約条件も決して高くはないが、青木は中々良い働き場を見つけることができたと言えそうだ。
 
出典:”With Nori Aoki, Giants look like least ?powerful team in baseball”@ FabGraphs by Jeff Sullivan in Jan. 16, 2015

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