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【MLB】ドジャース、昨季PO敗退の要因が判明? 時差ボケが投手に与える影響とは

2017/01/30

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 ノースウエスタン大学のラビ・アビダ教授が23日、時差ボケがMLB選手のパフォーマンスに与える影響を分析した論文を『米国科学アカデミー紀要』に発表した。
 
 アビダ教授が20年間に行われた40,000試合以上の分析に基づいた調査によると、投球に関しては東に移動した投手はホーム・アウェー関わらずにホームランを打たれやすくなっていると分析している。その影響はホームフィールド・アドバンデージを打ち消すレベルで明確に現れているようだ。
 
 では、なぜ東へ移動すると負の影響が現れるのだろうか。人間の体内時計は24時間よりも少し長い時間で周期しているからだとアビダ教授は語る。
 
 すなわち、もし西に移動すれば時差の影響で人間が感じる1日の時間は24時間よりも長くなり、時間の余裕によって身体の調整をしやすくなるが、東へ移動すると実際に使える時間が少なくなり、身体の調整を急がなければならない。それが原因で負の影響が現れているとしている。
 
 そして、アビダ教授は2016年のナリーグ優勝決定シリーズを例に挙げている。
 
 第2戦のシカゴでシカゴ・カブス相手に2安打完封勝利を挙げたロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウは第6戦で再びシカゴで登板することとなった。しかし、第6戦の前日にロサンゼルスからシカゴへ移動(東へ2つのタイムゾーンの移動)したカーショウはカブスに打ち込まれ2本の被本塁打を含む5失点で敗戦投手となってしまった。
 
 時差ボケが敗戦の全ての理由ではないだろうが、東への移動などの分析から考えると、カーショウのパフォーマンスに時差ボケが影響を与えた可能性はあるだろうとアビダ教授は考察している。
 
 日本での試合では感じることのできない時差という観点で2017年のMLBを追いかけるのも面白いかもしれない。