大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



【MLB】今も消えぬ松坂大輔への失望感。ボストン地元メディア「2008年は最も腹立たしい18勝」

チームの積極的な先発補強に合わせて地元メディアがレッドソックスの過去のローテーションを特集。松坂が好成績を残した07、08年のローテーションは高評価も、松坂個人へは厳しい評価が目立つ。

2017/01/03

text By



1試合平均6イニング以下で18勝に厳しい評価

 翌08年は、松坂自身は自己最多の18勝(3敗)をあげて、防御率はリーグ3位の2.90を記録。チームは怪我人に見舞われたこともあり、レイズに地区首位を譲ったものの、成績だけ見ればエースとして前評判通りの成績を残したと言える。しかし記事での評価には前年以上に辛辣な言葉が並ぶ。
 
Daisuke Matsuzaka delivered the most aggravating 18-3 season one could imagine, averaging just over five innings per start in a masterful managerial performance by Francona.
松坂大輔は想像できる限り最も腹立たしい18勝3敗のシーズンを送った。1先発平均5イニング強で18勝を達成できたのは、フランコ―ナ監督の素晴らしい手腕によるものだ。
 
 表向きの成績こそ良かったものの、29先発して167.2イニングしか投げておらず、1試合あたりの投球回は5.79と6イニング以下。18勝以上を上げた先発投手としては、最少の投球回数だった。
 
 全登板の約半数となる14試合で6イニングに到達していないこともあり、QS率は48%。1イニングあたりの投球数はリーグワースト2位、与四球率はリーグワースト1位と制球も前年以上に乱れていた。18勝は実力を表していたとは言い難く、地元紙の皮肉ももっともだ。
 
 09年はWBCでこそ活躍を見せたものの、故障による2度の故障者リスト入りもあり、シーズンは12先発で防御率5.76と低迷。先発1~4番手はそこそこの成績を残しただけに、松坂がフルシーズン投げられていれば、チームは違った結果になったかもしれない。
 
 同じく防御率5.61と低迷したブラッド・ペニーや、8.33のジョン・スモルツ、7.46の田沢純一、9.82のマイケル・ボウデンらと共に戦犯として名前をあげられ、「たぶんレッドソックスは昔懐かしい4人ローテを組むべきだったのだろう」「過去10年間で最も忘れたいプレーオフチーム」と非難されている。
 
 ちなみに最悪のローテーションには、松坂が在籍した最後の年であり、ボビー・バレンタインが指揮を執った2012年。最高のローテーションには1918年以来のワールドシリーズ制覇を成し遂げた2004年が選ばれている。
 
 野茂やイチローを生んだ日本の誇る最高の右腕として高い期待を集め渡米した松坂。それだけに期待外れに終わったボストンでのメジャー生活は、現地のファンにとって今も苦い思い出となっているようだ。
 
出典:From Pedro to Sale: Ranking the Red Sox’ starting rotations of the past 20 years by Chad Finn in Boston.com on Dec.28 2016

1 2