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【MLB】ドジャース前田健太に突きつけられた重い課題。勝負所で低調な内容、首脳陣の評価も下落

優勝決定シリーズの初戦に先発した前田健太だが、今回も5回もたなかった。

2016/10/17

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次の登板チャンスは?

 米サイト『ナックルボール』のトニー・デマルコ記者も「終盤の不振からこの日も脱却できなかった。不運な当たりの安打もあったが、終盤4試合の結果はひどいものだ」と提起。その4試合の成績を並べ、防御率3.20と安定感を誇っていたそれ以前30試合との比較で指摘している。

 この日は2回までに3失点したものの、3、4回は無失点で抑え復調の兆しは見せていた。そこで代打を送られた。

 前田自身は「徐々に感覚は良くなってきていたけど、1、2回で3点取られましたし。打席も回ってきた。仕方ないこと。自分の責任だと思う」と会見で述懐した。これは素直な言葉で、首脳陣の信頼が足りなかったことの証だ。レギュラーシーズンの貢献度は別として、勝負所で低調な内容に終わったここ2試合で確実に評価を落としたのは事実だ。

 そもそも今季の前田をどう評価するか。32試合以上先発した両リーグ投手39人中、175回2/3という投球回はワースト2位タイ。下にはアリゾナ・ダイヤモンドバックスのロビー・レイの174回1/3しかいない。
 ローテーションを飛ばさなかったことは評価に値するが、その中身に疑問符が付くのは確かだ。長い回を任せられる投手ではなかったわけだ。

 先発投手陣に故障者続出のドジャースの台所事情から見ても、リーグ優勝決定シリーズがもつれれば再び前田にチャンスが与えられることもあるかもしれない。ただ、それは悲しい消去法で導かれた選択だと誰もが分かっている。そして、先発のマウンドを与えられても、展開次第でこの日のようにあっという間に代えられてしまう。

 レギュラーシーズンで築いた信頼は、大半が失われてしまった。前田はポストシーズンで輝けなかった。ドジャースという世界一を目指す名門球団において、この汚点は一生ついてまわりかねない。

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