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【MLB】田中将大が高く評価される最大の理由。球団史上5人目の3年連続12勝以上より価値ある「負け数の少なさ」

ヤンキースの田中将大が5日のブルージェイズ戦で今季12勝目を挙げた。3年連続12勝以上はヤンキースの投手では史上5人目。さらに負けの少なさに注目したい。

2016/09/07

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負けが少ない=チームへの貢献度

 田中は1年目の14年が13勝5敗。2年目の15年は12勝7敗という成績だった。3年間通算では現在37勝16敗。1人で実に21勝もの「貯金」を作り出している。この数字こそが、田中が「負けない投手」といわれるゆえんであり、最も評価されてしかるべきものだ。

 他の日本人投手とこの「貯金」を比較してみよう。

 レンジャーズ・ダルビッシュ有(実働4シーズン)44勝29敗=貯金15
 マリナーズ・岩隈久志(実働5シーズン)61勝36敗=貯金25
 黒田博樹(実働7シーズン)79勝79敗=貯金0
 野茂英雄(実働12シーズン)123勝109敗=貯金14
 松坂大輔(実働8シーズン)56勝43敗=貯金13
 大家友和(実働10シーズン)51勝68敗=借金17

 みな、田中よりも実働シーズンが多い投手だが、貯金で田中を上回っているのは岩隈だけ。他の投手は軒並み13~15前後に落ち着き、ドジャースとヤンキースで長年ローテーション投手として活躍した黒田にいたっては0となっている。

 米スポーツブログ『ファンサイデッド』では、「田中は16年のチームMVPに選ばれる資格がある」と指摘している。「9月を迎えた時点でサイ・ヤング賞候補の上位5人に入る活躍をみせている。何より負けが少ないのが他の投手にはない強み。チームへの貢献度が高い裏返しだ」と触れた。

 どれだけ三振を奪っても、防御率が素晴らしくても、どれだけ試合をつくっても、チームが負けては意味がない。「負けない投手」。先発ローテーションでまわる限り、何よりも評価されるべきポイントの一つだろう。

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