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【MLB】田中将大、サイ・ヤング賞の可能性を検証。米メディア「ヤ軍守備陣がより厳しくさせる」

24日(現地時間25日)シアトルで行われたマリナーズ対ヤンキース戦。この日の先発はマリナーズ岩隈とヤンキース田中だった。楽天時代のチームメイト同士であり、今季2度目となったマッチアップは田中に軍配、7回6安打1四球5奪三振、無失点で11勝目を挙げた。

2016/08/27

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田中、サイ・ヤング賞への可能性

 ここ最近の田中の投球の安定感を評価し、「Pinstripe.com」のジェイク・デビン記者は、田中のサイ・ヤング賞の可能性を探っている。

 デビン記者は、「サイ・ヤング賞の選考に明確な基準はない。基本的には、防御率が低い、支配的な投手、または他の条件を持っているピッチャーがふさわしい」 と断った上で、いくつかの指標を取り上げて、記事内で田中の受賞について検討している。

 紹介している指標の1つとして、打者に対してのOPSとB-Ref’s War(9イニングあたりでの失点率)がある。

 田中のB-Ref’s Warは3.63という数値は、いい数字ではあるが、サイ・ヤング賞レベルではないこと、そして対打者のOPSは.629でアメリカンリーグ6位となっている。この2つの数字を踏まえた上で以下のように見解を示した。

“It’s not easy to see how Tanaka’s OPS allowed of .629 could trump, say, Kluber’s .618 figure, but it’s possible. Both Tanaka and Kluber pitch in hitter-friendly environments, but Tanaka has had to pitch in front of a defense that has consistently ranked among the league’s worst by defensive metrics, while Kluber has pitched in front of quality defense in Cleveland.
田中のOPSの数字が、(選考で)大きな武器になるかどうかはわからない。トップ5に入っているクリーブランド・インディアンズのコリー・クラバーもそうだ。しかし、彼らに共通して言えることは、打者有利の環境で投げなければいけないということ。そして田中とクラバーの1番の違いは、田中はリーグでも最低クラスの守備指標の守備陣を味方に投げなければいけず、一方のクラバーは、クリーブランドの優秀な守備陣の中で投げられている。

 なお記事の最後では、ヤンキースの守備陣が田中のサイ・ヤング賞への道を厳しくしていると改めて指摘しており、こう締めくくった。

“Tanaka may look excellent based on his fielding independent numbers, but the most basic goal of pitching is to not allow runs. Other pitchers have simply been better at that than Tanaka this year, and that handicaps him severely in the race.
田中の後ろを守る守備陣を考えれば、その数字はとても素晴らしいかもしれない。しかし、投手として1番大事なのは点を与えないことだ。サイ・ヤング賞候補となる他の投手たちは、単純に点を与えないという点で田中を上回っている。そしてやはり守備という彼にとってのハンディキャップがサイ・ヤング賞争いを厳しくしているのだ。

出典:
Masahiro Tanaka, Gary Sanches developing winning connection@New York Post by Dan Martin on Aug,24 2016

Could Masahiro Tanaka win AL Cy-young award@Pinstripe alley by Jake Devin on Aug,25 2016

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