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藤川球児はベストな球団を選択した――トミー・ジョン手術を受けた投手の再生に実績のあるレンジャーズ

藤川球児のレンジャーズ入りは秒読みの段階に入った。手術から完全復活を目指す来季。藤川にとっては、手術からの投手再生に実績があるチームへの入団は非常に大きい。

2014/12/15

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手術明け、完全復活へ大事な2015年

 先週、カブスからFAとなった藤川球児投手が、レンジャーズと単年のメジャー契約に合意したと、日米のメディアが一斉に報じた。メディカルチェックを受けた後に、昨年手術した右肘などに異常が見つからなければ、今週中にも正式に発表される見込みだという。

 2015年は藤川にとって、完全復活を目指す勝負の1年だ。

 メジャー1年目の13年6月。右肘にメスを入れた。断裂していたじん帯を、体の別の部位のじん帯を移植することで再建させるトミー・ジョン手術。再びメジャーのマウンドに帰ってきたのは今年8月。そこから今季は15試合に登板し、防御率は4.85。カブスでの2年間は合計で27試合、1勝1敗2セーブ、防御率5.04と不本意な数字で終えた。

 2年総額950万ドル(約11億3000万円)という年俸に見合う働きはできなかった。

 シーズンを終え、カブスが保有していた来季年俸550万ドル(約6億5500万円)での選択権を破棄したのも、当然と言えた。

 かつての火の玉ストレートは、まだ戻ってきてはいない。
 だが、復活への兆候はあった。

 8月のメジャー復帰後のマウンドでは、直球は最速93マイル(約150キロ)を計時。藤川は「まだ(移植した)じん帯がなじんでいない。完全になじむのはどうせ来年になってからだから」と話していた。

 トミー・ジョン手術を受けた投手は、術後2年を経過したあたりから球速が上がり、球筋が安定するケースが多い。藤川自身、同じ手術を経験した松坂大輔、和田毅という同い年の選手たちに相談し、助言を受け、その金言を活用。無理に復帰を焦るのではなく、肘の状態と相談しながら一歩ずつ階段を上がってきた。

 すでに手術から18カ月が経過した。来季早々に、一つのメドとなる2年が経過する。完全復活へ、何よりも大切なシーズンとなる。

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