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【MLB】イチロー、3000本安打達成に日米の野球実況も大興奮。米解説者「3000安打目が三塁打とはユニーク」

イチローのMLB通算3000本安打達成の瞬間、日米の実況はそれぞれの言葉で伝えた。

2016/08/10

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イチローは常識を打ち破った

 ポッドキャストでは司会のオルニー氏だけでなくESPNの野球解説者ジェリー・クラスニック氏も加わり、ふたりでイチローの偉大なる業績について語った。

 27歳までメジャーデビューしなかった選手が3000本安打にたどり着くとは信じられない。イチローはこれまでの常識(遅咲きで大記録は達成不可能)を打ち破った、と言う。

 クラスニック氏は次のように語った。

「素晴らしいストーリーだ。私はイチローがマリナーズに最初に入った時、バッティング練習を見たことがある。ピネラ監督も一緒だった。最初は弱いフライばかり打っていたので疑問を持った。『これだけの大金を使ってこんなソフト・バッターを獲得したのか。』と思っていた。

 しかし蓋を開けてみればどうだ。打とうと思えばホームランも打てるし、決してただの単打専門打者ではない。スピードもあるし、外野の守備も素晴らしいし、肩もすごい。その(みな単打専門の打者だと見ている)イチローが、何と三塁打で3000本安打を決めるとは、歴史的に考えてもユニークな結果になったと思う。(パワーを重視するこの時代では)軽視されがちの選手だが、本当に偉大な業績だと思う。そして間違いなく、第1回目の投票で殿堂入りが決まるであろう」

 これまで3000本目の安打を三塁打で決めたのは、ポール・モリターただ一人であった。このモリターは、マリナーズ時代にイチローとも縁があった有名人物である。

 10月に43歳になるイチロー、「50歳までプレーしたい」と今でも言っているが、これについてオルニー氏はコメントしている。

「私は以前、ジェイミー・モイヤー投手と話をしたことを覚えている。1995年だった。オリオールズがモイヤーを手放した後も、『まだやれる道を見つけた』と言っていた。信じなかったが、実際モイヤーはその後、15年ほど投げ続けた。今、イチローについても同じように考えている。『まさか、そんなことは絶対ムリだろう』と思っても、イチローなら本当にやってくれそうな気がする。不可能ということがないように感じる。

 クラスニック氏もこう反応した。

「確かにそうだ。イチローのルーティンを見たことがある人はみんな知っているだろうが、極めて柔軟な体で、太ってもいないし、4番目の外野手としての自分の役目もちゃんと理解し、その責任を果たしている。プレーし続けたいと言っている以上、辞める必要なんて全くないと思う。今年のキャンプでも、自分だけの練習ルーティンを毎日こなしていたし、人一倍練習している。ひたむきに努力を続けているし、グラウンドの中でも外でも模範を示している。いずれ、クーパーズタウンで20分、イチローの英語のスピーチを聞ける日が来るだろう」

 最後にオルニー氏は、「昨日もイチローは、『3打席目までは体がジャスティン・ボアのように重く感じた』と冗談を言ったが、ああいうユーモアをたっぷり入れたスピーチを、クーパーズタウンでもぜひ聞きたい」と締めくくっている。

出典:”Baseball Tonight podcast with Buster Olney” by ESPN, August 8,2016

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