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イチローの「足」がチームを救う――40代の偉人と並ぶイチローの盗塁成功数【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第21回目は、イチローについてだ。

2014/11/24

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イチローの「足」はまだ1番打者として武器になる

 1900年以降のMLBで40歳以上で盗塁企図数が10を超える選手の盗塁成功率のランキング30傑。ただしMLBでは「盗塁死」を記録していなかったシーズンがいくつかある。その年は省いている。

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 今季のイチローの15盗塁、3盗塁死は歴代3位に相当する(ジーターも同率)。

 1位はドジャーズの走り屋として鳴らしたデービー・ロープス。日本でMLB中継が始まった77年頃のスター選手の一人。この記録は40歳の年にカブスで記録した。
 2位は、5ツールプレイヤーの元祖ともいうべきウィリー・メイズ。ジャイアンツ、メッツで活躍。1971年は、40歳だった。

 イチローはこの2人に次ぐ3位。21世紀に入ってからは断トツの記録だ。

 投手のモーションを盗む技術、脚力、回り込んでタッチをかいくぐる技術は衰えていないと思われる。
 今季のイチローは1番を打ったのは2試合だけで、それ以外は6~9番の下位だった。盗塁が自由にできる状況は少なかった。

 この表にはリッキー・ヘンダーソンなど同じ名前が何人も出てくる。過去には40代になってもずっと「足」を維持してきた偉大な選手がいるのだ。

 イチローもこの道を歩んでほしい。
 来季41歳になるイチローを1番に固定して起用すれば、打率3割は無理だとしても、足を絡めた速攻で、チームに貢献できるのではないか。

 そういう観点でイチローを評価する球団が出てほしい。まだイチローの輝きは失われていないのだから。

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