大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



【MLB】デビュー戦から4試合連続自責点1以下の前田。ド軍伝説的投手、バレンズエラの記録に肉薄するか

前田健太のここまでの活躍は、外国生まれのドジャースの投手によるデビューからの快投ということで、1981年のフェルナンド・バレンズエラを思い起こさせる。

2016/04/26

text By

photo

Getty images



デビュー戦から連続で自責点1以下は7試合が最多

 外国生まれの投手によるデビューから連続での自責点1以下の先発数では、バレンズエラの7試合(63イニング)が最多だ(「外国生まれ」という但し書きを外しても1位だ。最終的に史上2位の通算417勝を挙げた1913年のウォルター・ジョンソンも7試合だが、投球回は60とわずかに劣るからだ)。その間バレンズエラは、6完投5完封、防御率は0.29と圧倒的な成績だった。この記事が掲載された4月20日の時点では、前田は3試合(19イニングス)で12位として紹介されているが、現在では4試合(25.1回)のため、ランキングは一気に3位に上昇している。今後、前田の記録がどこまで伸びるか大いに楽しみだが、さすがにイニング数も含めバレンズエラの記録を更新するのは無理だろう。

It’s probably an impossible gap, and might be for another few decades. The game has changed since Valenzuela’s time.
これは決して追いつけない差で、今後数十年同様だろう。(完投が当たり前だった)バレンズエラの時代から野球は変わってしまったのだから。

 ワトソンは、81年のバレンズエラのように「60回以上を投げ2~3点しか与えないということは、ちょっとあり得ない」と述べている。この程度の失点の危機はどこにでも、ころがっている。得点圏に走者を背負った場面で詰まった当たりがタイムリーになるケースもあるだろうし、外野手が打球を太陽で見失うこともあるからだ。

 しかし、バレンズエラはそれをやってしまった。彼は通算173勝(153敗)で、野球殿堂に入ることはなかったが、メジャーの歴史を語る際には決して外せない男だ。それほどまでに、その登場は衝撃だった。ワトソンは、以下のように記事を締めくくっている。

But sometimes it’s fun to talk about Fernando, and remember just how incredible his 1981 season was, and remind ourselves that crazy things can (and do) happen in every single baseball season.
しかし、当時のフェルナンド(バレンズエラ)について語り、彼の1981年がいかに驚愕的であったかを思いだし、そしてとんでもないことが起こる可能性はどのシーズンにもあると改めて認識するのは、時として楽しいことだ。

 その点でも、前田のここまでのパフォーマンスはアメリカのファンにとって意義深いものと言えるだろう。

出典:“Kenta Maeda’s slider and the chase for Valenzuela’s record”@ fangraphs by Owen Watson in Apr. 20th 2016

1 2