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試合欠場を〝拒否〟して首位打者を獲得 侍ジャパンが対峙する小さな大打者

日米野球が12日から始まる。来日するメジャーリーガーで注目を浴びるのが、今季首位打者に輝いたホセ・アルトゥーベ選手だ。

2014/11/11

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日米野球を飛躍のきっかけに

 アルトゥーベはこの2安打でシーズン225安打とし、ベネズエラ出身選手では史上最多。二塁手としても1936年に227安打したゲーリンガー(タイガース)以来、78年ぶりの数字となった。最多安打、首位打者、そして盗塁王に輝き、同一シーズンでこの3つを占めたのは、01年のイチロー(マリナーズ)以来、13年ぶりだ。
 
 00年以降にシーズン220安打以上を記録した選手は、イチロー、アースタッド(エンゼルス)、ピエール(マーリンズ)、ヤング(レンジャーズ)と他に4人しかいない。
 
 167センチの身長は、日本代表である侍ジャパンの中に入っても、誰よりも低い。12年には大リーグ史上最長身210センチのラウシュ(メッツ)と対戦し、身長差43センチの野球版「ダビデvsゴリアテ」として注目を集めたことも。
 MLBオールスターが来日すれば、当然ファンは日本人以上の巨体とパワーを期待するだろう。試合前の整列で頭2つは他のナインより小さいアルトゥーベの動きは、今までの日米野球にはない新たな驚きを生むに違いない。
 
 他に日本選手では岩隈久志(マリナーズ)、和田毅(カブス)の2人がMLBオールスターの一員として凱旋帰国。岩隈は近鉄時代の04年日米野球に日本代表として出場し、大阪ドームでの第5戦に先発し7回1失点で勝利投手に。この時は剛腕クレメンス(アストロズ)に投げ勝っている。和田はソフトバンク時代の06年前回大会でヤフードームでの第5戦に先発し、5回1失点と好投。勝利投手の権利を手に降板したが、後続が逆転を許している。
 
 いずれも日米野球での好投が、その後の飛躍へのきっかけとなっただけに、思い出深い舞台。今回の来日メンバーは、投手は比較的実績のない選手が多いため、投手陣の中心としての活躍が期待されている。
 
 1908年にリーチ・オール・アメリカンが来日し17戦全勝を飾って以降、チームや形を変えて行われてきた日米野球において、米国代表が負け越したことは、ドン・ジマー監督に率いられた1990年チーム(3勝4敗1分け)の1度しかない。今年はどんな戦いで我々を驚かせてくれるのか。
 
 凱旋する2人の侍と小さな大打者が、投打のキーマンの一番手に挙げられるだろう。

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