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岩隈や前田にとどまらず、MLBで高まる身体検査への厳しい目。球団ごとに基準が曖昧と指摘も

2015年オフ、岩隈・前田の移籍時にメディアでにぎわせたのが身体検査という言葉。年々この身体検査が厳しくなり、契約や移籍に影響している。

2016/02/21

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FA補強なしのヤンキース、水面下では……

 日本人選手だけじゃない。一段と厳しさを増してきたなと感じさせるのが、メジャー球団の身体検査(メディカルチェック)の求めるレベルの高さだ。
 
 ドジャースと3年総額4500万ドルで合意した岩隈久志は、検査の結果異常が見つかったとして破談。前田健太は最終的に8年契約をドジャースと結んだが、やはり身体検査で肘の状態に疑問符を付けられた。出来高に比重を置き、相場を大きく下回る最低保障総額2500万ドルでの契約を余儀なくされたばかり。
 
 メディカルを巡る騒動はこれに収まらない。18日にはヤンキースの地元紙『ニューヨーク・ポスト』が、カブスからFAとなっていた中継ぎのトミー・ハンターとの契約が破談となっていたことを報じた。
 
 ハンターは13日にインディアンスと年俸200万ドルに出来高100万ドルの契約を結んだばかり。だが、報道によればそれ以前にヤンキースと総額1150~1200万ドルの2年契約に合意しながら、身体検査の結果で破棄されたという。
 
 ヤンキースはこのオフ、FA選手を一人も獲得せず話題となっていたが、水面下ではハンター獲得に動いていたわけだ。問題の箇所は明らかになっていないが、オフの間に体幹部の手術を2度受けていた。
 
 19日にはエンゼルスが、ロッキーズからウエーバーにかけられ獲得した中継ぎのクリスチャン・フリードリッヒが、検査の結果で「期待できる働きができるか不安が残る」として所属元のロッキーズに返されることが発表となった。
 ウエーバーで獲得を申し出たのは約2週間前。キャンプ直前の急転人事だが、大リーグ機構はエンゼルスの判断を支持し、これを認めた。
 
 インディアンスのクリス・アントネッティ球団社長は「サインを交わす前に完璧な身体検査を行ったし、結果も悪くなかった。手術明けだし出遅れるのは承知しているが前半戦に間に合うし、復帰後はチームにインパクトを与えてくれるだろう」とポスト紙の取材に話す。
 このコメントからもわかるように、メディカルチェックの判断基準は球団によって大きく差がある。

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