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【MLB】田中、ストレート系球種の被打率は3割、被長打率は6割超。被弾減少のカギはリリースポイントに?

ヤンキースの田中将大はの2016年の課題は、被本塁打数をいかに減らすかだ。その原因について、アメリカでは田中のリリースポイントの位置に問題があるのではという意見もある。

2016/01/05

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空振りを取れない理由はリリースポイントの位置に問題?

 記者は、2014年に「ニューヨークタイムズ」に掲載された田中と殿堂入りの名投手トム・シーバーの比較記事を紹介している。その記事では、シーバーは「ドロップ&ドライブ投法のゴッドファーザー」と評されている。
 
 ドロップ&ドライブとは、大きなストライドで腰を落として投げる投法だ。この投法では、リリースポイントが打者に近くなるため、結果的に打者は実際以上にボールを速く感じるのだ。田中を含め日本人投手のほとんどはこの投法だが、実はアメリカでは多くない。彼の地では、マウンドの高さを生かすためにも突っ立った姿勢から投げ下ろす「トール&フォール」投法が主流だ。
 
 興味深いことに、田中は「ドロップ&ドライブ」でありながらリリースポイントはそれほど打者に近くないことがデータ解析により証明されているという。
 
 ドロップ&ドライブ投法特有の長いストライドがありながら球持ちが良くないこと(長いストライドによりマウンドの高さを犠牲にしながらリリースポイントが打者に近くないこと)、これがフォーシームとツーシームの被弾の多い理由ではないかと、チャターヴェディ記者は見ているようだ。
 
 実際、2014年のデビュー以来、田中のフォーシームでの空振り率は5.4%と低く、シンカー(ツーシーム)のゴロ率も45%と高くないようだ。
 
 この問題を解決するために、記事では田中は「トール&フォール」のフォームに変えるか、さもなくばリリースポイントをもっと打者よりにすべきと述べている。
 
 もちろん、これは言うほどには容易ではない。
 田中がメジャーでもトップクラスの制球力を身に付けたのは、現在のフォームをアマチュア時代からの反復によりしっかり固めたからこそだ。
 また、田中の先発ローテーションでの位置付けを考えると、容易にフォーム変更を試させるべきものではない。
 
 しかし、今後も被弾の多さが続くようであればこれは考慮すべきとの提言で、記事は締めくくられている。
 
出典 : “Tanaka’s stride might contribute to homer problems” @ Pinstripe Alley by Nikhil Chaturvedi in Jan. 3rd 2016

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