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【MLB】データ解析で判明。球審のストライク・ボール判定は左打ちに不利?

『左打ちだとファーストに近い』という理由で、もともと右利きの選手が左打者になる実例は多く見られる。しかしこの左打者優位論を打ち消すようなデータがメジャーで今、話題になっている。

2015/09/28

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データから見えてきた事実「左打ち選手は実は不利?」

 そこでESPNがデータを分析して発表した。結果は驚くべき数字の連続であった。

 まず、規定打席を満たした現役の打者に対し、ボールをストライクと判定された確率を計算し、トップ30人のリストを作った。

 すでに書いたが、1位は左打ちのマット・カーペンター。そしてその30人のうち29人が左打ち又はスイッチヒッターであった(唯一の例外はカブスのアディソン・ラッセルで、28位)。

 逆に、この確率が最も低い選手30人のリストを作った。すると何と今度は30人のうち29人が右打ち又はスイッチヒッターで、ただ一人(オリオールズのクリス・デービス)だけが左打ち選手と、正反対の結果が出た。

 今シーズンに限って調べると、コンピュータ判定ではボールなのに球審がストライクと判定した球数が80以上の選手が22人いた。このうち左打者又はスイッチヒッターが何と21人。唯一の例外はブルージェイズのホセ・バティスタであった。

 さらに今シーズン中、ボールであるべき球がストライクと判定された割合を比べると、左打者では平均9.9%、右打者の平均は7.7%であり、その差がさらに明らかになった。

 カーペンターの14%とは対照的に、右打ち選手ではこの数字がかなり低い。

 マイク・トラウトは5.7%、ヤディヤー・モリーナは4.4%となっている。カーペンターは最初の133試合でボールをストライクと判定されたケースが139球もあった。すなわち1試合平均1度は判定が間違っている、というのである。

 After seeing this information, right away, left-handed hitters are at a disadvantage when they come out of the womb, apparently.
このデータを見ていると、左打者は母親の胎内から生まれてきた時点ですでに不利だということである。

 If there are conversations in the future about automated strike zone the way that you have some calls in tennis, I think this data, to me, would be one of the biggest reasons why.
「テニスの(イン・アウト判定)ように、もし野球でも自動的にストライクゾーン判定を導入するかどうか、具体的な話し合いが起こるとするなら、ここに上げたデータがその最も大きな理由のひとつになると、私には思われる」とオルニー氏は語っている。

出典:”Lefty hitters are called-strike disadvantage” @ESPN insider by Buster Olney, September 4, 2015, and Podcast “Baseball Tonight with Buster Olney” @ESPN, September 4, 2015.

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