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【2021年版】野球日本代表侍ジャパン、東京オリンピック2020に招集したい選手は? 選出選手を予想【第2回・先発投手編】

2021/01/09

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柱となる投手たち

 稲葉監督は公式サイトのインタビューにて、選考する基準の一要素として、投手は「 “フォアボールを出さない” というコントロール」、打者は「“ボール球に手を出さない”という見極めができる」ことを挙げた。
 
 さらに、試合が行われる横浜スタジアムについても言及し、「マウンドの形状に合う・合わない」の観点があることや、比較的本塁打が出やすい球場であることから「“三振が獲れる、バットに当てさせない”」投手の必要性も語っている。
 
 これらの点を踏まえて、まずはプレミア12を軸とした昨年の予想を振り返ってみよう。
 
<先発>
右)千賀滉大(ソフトバンク)
右)菅野智之(巨人)
右)則本昂大(楽天)
左)今永昇太(DeNA)
 
<先発・ロングリリーフ>
右)高橋礼(ソフトバンク)
左)田口麗斗(巨人)
 
<セットアップor先発>
右)山本由伸(オリックス)
左)松井裕樹(楽天)
 
<当落上>
右)岸孝之(楽天)
右)山岡泰輔(オリックス)
左)大野雄大(中日)
 
 
 現状で「日本のエース」と呼べそうなのは、パ・リーグの千賀滉大(ソフトバンク)、山本由伸(オリックス)、セ・リーグの菅野智之(巨人)の3人ではないだろうか。
 
 千賀は、最速161キロの速球と落差の大きいフォークを武器に、世界相手にも通用する投手。2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、最優秀投手に選出されるなど実績も十分だ。2020シーズンはリーグの投手タイトル三冠も達成した。
 
 その千賀に次いで、球界を代表する投手となったのは、山本だろう。山本は、2019、20年と先発投手として活躍し、2年連続でタイトルも獲得。プレミア12では「勝利の方程式」の一角としてセットアップを任されたが、昨年の安定感をみても先発としての起用が濃厚とみていいはずだ。また、2020年に先発で奪三振率10.00を超えたのは両リーグを通じて千賀と山本のみである。
 
 そして、2019シーズンはは腰痛の影響で成績が振るわなかった菅野も、20年は成績をV字回復させた。通算2度沢村賞を受賞しているなど、投手としての完成度は傑出している。CSで史上初めてノーヒットノーランを達成したこともあり、勝負所で真価を発揮できる点は今尚魅力的も映る。今年は巨人への残留を決めたが、来オフの海外移籍に含みを持たせており、国際舞台は市場価値を高める絶好の機会となるのではないか。
 
 この3本柱に加え、左腕を一枚用意したい。昨年までであれば、今永昇太(DeNA)を真っ先に推すところであるが、2020年は左肩痛で途中離脱。故障明けの年ということもあり、シーズン前半の成績にもよるが、選出には不安がよぎる。
 
 一方で、2020年に飛躍を遂げたのが大野雄大(中日)だ。大野はプレミアでは大会唯一の黒星となった米国戦で決勝点を献上するなど、目立つ活躍はできなかった。しかし、国際舞台での経験を糧に、シーズンでは防御率1.82と圧巻の投球を披露。自身初となる沢村賞にも選出された。第2先発的役割も含め、貴重なサウスポーである大野は選出したいところだ。

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