都市対抗野球V候補・JR東日本が初戦敗退 豊富な戦力を起用する裏のリスク【プロにつながる社会人野球】
第86回都市対抗野球大会が7月18日に東京ドームで開幕し、一回戦16試合が終わった。優勝候補に挙げられていたJR東日本をはじめ東京勢4チームがすべて姿を消す、まさかの展開となった。
2015/07/25
“動かない戦術”が好結果に
大会3日目の3試合には東京勢が相次いで登場し、JR東日本、明治安田生命、セガサミーが枕を並べて倒れた。奇しくも東京勢は継投が思い通りに運ばず、対戦相手の三菱重工神戸･高砂、三菱重工広島、王子は先発投手が完投勝利をマークしている。また、昨年の大会を制した西濃運輸の戦いを振り返れば、5試合で投手を3名しか起用せず、野手の交代もほとんどないという“動かない戦術”が好結果につながっている。
そこから見えてくるのは、常にメンバーを固定しているチームのレギュラーは経験値が高く、豊富な戦力を自在に駆使するチームの選手は、自分で苦境を打ち破っていく力がなかなか積み上げられないということか。一回戦を締めくくる試合では、補強選手を含めても23名の信越硬式野球クラブが、古豪･日立製作所が繰り出す3投手、元･千葉ロッテの荻野忠寛、ドラフト上位候補の猿川拓朗、元･埼玉西武の山本 淳に3本塁打を含む11安打を浴びせて快勝した。これはもう、チームの戦力層がそのまま勝敗を分ける要因にはならないことを何より証明している。
波乱や番狂わせではない。それが高校･大学野球と社会人野球の大きな違いなのだろう。選手一人ひとりのタフさがものを言う戦いを制するのはどのチームか。二回戦以降も興味深い試合が続く。
【第86回都市対抗野球大会一回戦の結果】
西濃運輸 3×1 JFE西日本
大阪ガス 2×1 東京ガス
富士重工業 6×4 日本通運
JR東日本東北 2×0 JR東海
JX-ENEOS 2×0 日本製紙石巻
三菱重工神戸･高砂 6×2 JR東日本（延長11回）
三菱重工広島 4×0 明治安田生命
王子 1×0 セガサミー
日本新薬 4×3 JR九州
NTT西日本 7×3 永和商事ウイング（延長12回タイブレーク）
東芝 7×2 JR四国
日本生命 11×1 西部ガス（8回コールド）
トヨタ自動車 5×0 JR北海道
Honda 6×1 三菱重工名古屋
ヤマハ 3×0 三菱重工長崎
信越硬式野球クラブ 9×5 日立製作所