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熊本工・山口環生、サヨナラ弾は「感触がないくらい芯に」 甲子園初勝利の指揮官も興奮「頭真っ白」

2019/08/10

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劇的勝利呼んだ継投「100点満点。しっかり我慢強く投げてくれた」

 
<第5日 第2試合 1回戦 ○熊本工 3×―2 山梨学院●>(10日、阪神甲子園球場)
 
 第101回全国高校野球選手権大会は10日に5日目を迎え、第2試合では山梨学院(山梨)と熊本工(熊本)が対戦。熊本工が延長12回の大接戦の末にサヨナラ本塁打で初戦突破を果たした。
 
 名門・熊本工が壮絶な投手戦、守り合いを最後は劇的な本塁打で制して夏30勝目を飾った。
 
 熊本工は初回、先発・蓑茂然(3年)が2失点を喫するも、4回に味方打線が連続長打で同点に追い付き、その後は5回までを投げ切る。そして2番手として登板した村上仁将(2年)がロングリリーフ。強打を誇る山梨学院打線を相手に走者を許しながらも、堅い守備にも助けられ決定打を許さなかった。
 
 迎えた延長12回、7回無失点の村上の好投に報いろうと、この日4打席無安打だった山口環生(3年)が山梨学院の先発・相沢利俊(3年)から中堅バックスクリーンに飛び込むサヨナラ本塁打。熊本工は5回から7イニング連続無得点と苦しめられていた相沢に対し、ついにその壁を破った。
 
 監督就任後、甲子園初勝利となった熊本工の田島圭介監督は試合後「私だけじゃなく、学校とOBと関係者、全ての人が思い描いた勝利。率直に嬉しい」とコメント。延長13回から始まるタイブレークも頭をよぎったというが、「最後は代打も考えたが山口を信じて凄く良い形で(バックスクリーンに)運んでくれた」と劇的な一発を喜んだ。
 
 山口には「最後だから自分のスイングをしてこいと送り込んだ」。その直後、低めの速球を捉えての放物線。指揮官は「打った瞬間。スタンドのざわめきと、私自身も頭が真っ白になった」と笑った。
 
 先発で5回2失点の蓑茂に対しては「“ショートスターター”でも良いよと。その中で5回までしっかり投げてくれた。100点満点」と労い、7回というロングリリーフで1失点に抑えた村上についても「一番信頼している投手。しっかり我慢強く、延長戦でも落ち着いて頑張ってくれた」とサヨナラ勝ちの原動力となった2人の力投を称賛。インタビューの場でも興奮冷めやらない様子で笑顔で語った。
 
 一方、試合を決めた山口は「嬉しい。今は何も考えられない」とこちらも笑顔。1死走者なしの場面で「後ろに繋ぐ気持ちで」打席に立ち、「思い切り振れた。打った瞬間は感触がないくらい芯に当たっていて、気持ち良かった」と振り返った。次戦の相手は関東一(東東京)となるが、「今日のように粘っていけばチャンスがある。次も粘り勝ちたい」と先を見据えていた。
 
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部