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星稜・奥川恭伸、ギアを入れたのは初回だけ。目指すは夏を投げ抜く「レベルの高い省エネピッチング」

星稜の奥川恭伸投手が、甲子園2日目第3試合の旭川大戦に登板。9回3安打完封と圧巻のピッチングを見せたが、ギアを入れたのは初回のみ。高いレベルの“省エネ投球”を取り入れ、さらに「勝てる投手」としての精度を高めた。

2019/08/08

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「意図的に打ち損じを取れるような投球をする」

 奥川が夏前、こんな話をしていた。
 
「夏は消耗が激しいので、レベルの高い省エネピッチングをしたいと思います。レベルの高いというのは、力を抜いて投げるということではありません。力を抜いて真ん中に投げれば打たれることになりますから。しっかりコースに投げて打ち損じを意図的に取るということです。相手に打ち損じてもらうのではなく、自分が意図的に打ち損じを取れるような投球をするということです」。
 
 この日の奥川は150キロ台のストレートを数度計測したが、ほとんど連投はしなかった。ストレートは140キロ後半くらいにとどめ、スライダー、チェンジアップ、カーブを駆使してバランスよくピッチングをデザインしていた。
 
 もともと目指している「勝てる投手」というスタイルに、高いレベルの省エネ投球がエッセンスとして加わっていた。球数94球の完封劇は、まさに有言実行のクオリティピッチだった。
 
 だが、それでも、今日の試合後の奥川は満足を口にしなかった。
 
「結果だけを見ればよかったかもしれないですけど、内容はまだまだ反省すべき点の方が多かったです。風に助けられた打球もありました。打たれてからでは遅いので、次回までには修正したいです」

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