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台湾プロ野球ラミゴモンキーズ売却へ。人気絶頂、リーグ屈指の強豪が身売りせざるを得なかった理由

台湾プロ野球のLamigoモンキーズが3日、球団を売却する意向を表明した。今後は、シーズン中に引き継ぐ企業を探していく模様となっている。人気、実力ともにリーグトップを誇る球団が、なぜ売却に踏み切ったのだろうか。

2019/07/06

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市民球団として続ける?

 身売り宣言の後、台湾の政治界でもLamigoモンキーズの問題が議論を呼んでいる。2011年から桃園球場を本拠地として以来、ラミゴ球団は桃園市民の生活に馴染んでいた。桃園市長の鄭文燦氏は「なるべく新企業はまだ桃園に残ってほしい」と発言。ラミゴの劉玠廷GMも「引き継ぐ球団には一つだけ条件があります。それは桃園に残ることです」とし、「桃園市民球団」のイメージを強く発信した。
 
 資本が少ないラミゴ球団は、桃園市との綿密な関係をもち、日本プロ野球の広島カープ(現広島東洋カープ)のように地元の人々に愛される「市民球団」だ。桃園市長の鄭文燦氏も年に数回は球場へ足を運び観戦していた。だが、引き継ぐ球団の意向によっては、ラミゴ球団が桃園から離れる可能性もあり、市との関係が続くかどうかは不透明となっている。
 
 16年間で貧乏球団から球界一の人気球団となったラミゴ。骨を休める時が目の前まで来ているが、「シーズンが終わるまで引き継ぎ企業を探せるか」、「これからチームはどうなるのか」等、終止符を打つまでに課題はまだまだ残されている。
 
 
鄭仲嵐

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