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プロの競争に勝ち残れるか。人生の岐路で選手たちが下すべき選択とは? 金足農・吉田は感覚次第【小宮山悟の眼】

 プロ野球ドラフト会議が約1カ月後に控えている中、高校や大学で活躍する選手たちが人生の岐路に立ち、今まさにその判断を下そうとしている。プロの眼から見た進路における重要性は何なのだろうか。

2018/09/19

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甲子園で大活躍の金足農・吉田の決断は…

 今年のケースでいうと、金足農の吉田輝星投手がまだ進路の選択を決め兼ねていると報じられている。彼が夏の甲子園で見せつけたパフォーマンスは飛び抜けたものだった。スカウトたちは放っておかないだろう。さらに大学行きが内定した中で、アジア選手権のU-18代表仲間たちがプロに行くという話を聞いて感化されたところもあるだろう。
 
 おそらく、吉田投手は以前まではプロでやって行く自信がなかったのだろう。その中で大学側が声をかけてくれた。それでお世話になるという話になったが、この2カ月間で、彼を取り巻く環境は大きく変わった。
 
 もし、本当に本人がプロで挑戦したい気持ちが芽生えたのなら、行くべきだろう。
 
 吉田投手は、この夏、日本の高校球児でもっとも輝いた選手といえる。進学という進路をプロに行きたいと言って変更しても、彼を責める人はいないのではないか。
 
 ただ、夏の甲子園前のプロ入りできるかわからない状況で、吉田投手は進学を考えていた。卒業後にプロにいくという思いで大学を志したとしたら、その4年間で何をどうしたらプロ入りできるかを考えていたはずだ。
 
 もし、自分で考えていたものをクリアできているのならプロ志望届を出すべきだが、何かしら引っかかることや不安があるなら急ぐ必要はない。
 
 大事なのは、本人の感覚がどこにあるかどうか。私から彼にアドバイスするようなことはない。これからも野球を楽しんでほしい。甲子園で見せてくれたような、さわやかな雰囲気で野球を続けてほしいと願う。
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。

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