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豪州プロ野球が驚きの台湾リーグ参戦。その理由に隠された両者の思惑とは?

 オーストラリアのプロ野球リーグ(ABL)が5日、2019年より台湾プロ野球(CPBL)に参入することが決まった。両リーグの合意の裏には、一体どのような思惑が隠されているのだろうか。

2018/09/07

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鄭仲嵐



今後日本とも連携する可能性はあるのか?

 記者会見で、筆者は「台湾だけではなく、これからも日本の独立リーグやプロ野球の3軍と連携しますか」と質問した。ヴェイル氏は「いまは台湾プロ野球との連携を専念する」と断言。さらに、「台湾の連携はもう十分であり、もしも他の国と連携する場合、逆にチームを組んで豪州リーグに参入してほしい」と話した。
 
 昨年も「沖縄が台湾プロ野球に参入したい」という一部報道が流れた。CPBLは現在4チームしかなく、リーグ活性化のためにはもっと新しいチームの力を借りなければならない。一番の問題点は、やはり過去の八百長の影で、もう一度企業とファンの信頼を得ることが最優先事項だ。そのためには、野球の教育環境やアマチュアの球場を設置することも必要だろう。
 
 企業が台湾プロ野球に参入したがらないという事実が、この問題の核心であり、選択肢のない今、豪州との連携が「唯一の解決案」かもしれない。当然懸念点もある。経営を長く続ける統一ライオンズや兄弟エレファンツの関係者は、「2年間で上手く適応できなかった場合、すぐに撤退してしまうのではないか」と疑念を抱く。同様の不安をファンも持っている。
 
 呉会長は「これからも精一杯台湾の企業と交渉し、早くプロ野球に参入してもらいたい」と吐露する。恐らくそれが本音のはずだ。
 
 
鄭仲嵐

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