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【きょうの甲子園・第16日】金足農と大阪桐蔭が激突! 東北勢初の優勝か、史上初2度目の春夏連覇か。第100回記念大会を制すのは?

2018/08/21

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 第100回全国高校野球選手権記念大会は21日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で決勝戦が行われる。東北勢初の優勝を目指す金足農(秋田)、史上初2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)が深紅の優勝旗をかけて激突する。
 
■決勝戦(14時00分):金足農(秋田)-大阪桐蔭(北大阪)
 
 いよいよ第100回記念大会はクライマックスを迎える。
 
 金足農は初の決勝戦進出。34年前に準決勝で敗れた相手がPL学園だった。そのPL学園に代わって、大阪、いや高校野球の盟主となった大阪桐蔭が決勝戦の相手だというのは因縁めいている。2015年の「高校野球100年」の際、仙台育英(宮城)が東北勢初の優勝を狙ったが、そのリベンジも含めれば、舞台は整ったといえるだろう。
 
 だが、覇権を握るのは簡単ではない。エースで主軸を務めてきた吉田輝星はこれまで5試合をすべて一人で投げぬいてきた。疲労がないわけがない。準々決勝戦前に一度、「先発辞退」をしたそうだが、ここでもし決断したなら勇気ある決断といえるだろう。先発回避なら、三塁手の打川和輝が代役になるが、この夏の初登板が決勝戦というのも酷な話だ。吉田が先発するのではないか。
 
 打線はつながりを重視している。1番を打つ菅原天空が20打数7安打と当たっている。バントがうまい佐々木大夢が2番でつなぎ、吉田、打川に回すのが攻撃パターンだ。多彩な攻撃を仕掛けて、大阪桐蔭守備陣を崩したい。
 
 大阪桐蔭は史上初となる2度目の春夏連覇を狙う。この10年で夏だけでも3度の優勝を経験しているのは驚くほかない。これまでと異なるのは、エリート集団であるということだ。かつては上の世代より力が劣ると言われ、「泥くささ」がキーワードだった。今年のチームは粘りがあるが「谷間世代」と言われたチームほどのものがあるか。
 
 投手陣は柿木蓮、根尾昂、横川凱の先発が予想される。昨日に引き続き、柿木で来るのではないか。準決勝戦は155球の完投勝利。力で押し切るのではないか。僅差になれば、フィールディングのいい根尾に切り替えるという策を選ぶかもしれない。
 
 試合を決めるのは打線の方だ。吉田を打ち崩せるのか。この1年間、打撃技術の向上に務めてきた打線。相手投手が「大会ナンバーワン」という称号がついて燃えないはずはない。特に藤原恭大、中川卓也の二人は相当な気持をぶつけてくるだろう。1番の宮崎仁斗は準決勝で3安打をマークしてチャンスメークをしていた。決勝戦も鍵を握るだろう。打順を一人ずつ繰り上げてみるのも面白い。
 
 僅差なら金足農にチャンスが来る。打ち合いとなれば大阪桐蔭に分がある。1回の立ち上がりがどういう動きになるか注目したい。1回の攻防が覇権に向けて大きなウェートを占めている気がする。
 
氏原英明