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準々決勝に勝ち進むのは!? 多士済々のベスト16。公立校の奮闘、春夏連覇狙う大阪桐蔭、台風の目も勢力拡大中

 ベスト16が出そろった。  古豪・強豪・公立校と多士済々だ。 今後の展望についてはまたの機会にゆだねるとして、どんなチームが残っているのだろうか。

2018/08/16

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Kana Yamagishi



3連覇中の関東勢は?

 
 20年前の覇者・横浜(南神奈川)、浦和学院(南埼玉)、木更津総合(東千葉)の関東勢も侮れない。
 
 横浜は2回戦で昨年覇者の花咲徳栄(北埼玉)に打ち勝った。打線の軸は斉藤大輝(3年)、内海貴斗(2年)だ。山崎拳登(3年)、河原木皇太(3年)がチャンスメークしてつながりがある。主砲の万波中正(3年)にまだ快音が聞えてこないが、得点力は高い。投手陣は板川佳矢(3年)、及川雅貴(2年)の左腕二枚と2回戦で好救援を見せた黒須大誠(2年)がいる。今大会は左の好打者が多いだけに、左2枚がいるのは大きい。
 
 浦和学院は2回戦で先発した渡辺勇太朗(3年)の評価が高く、一気に優勝候補に名乗り出た。ストレート最速は150キロに迫る勢いだ。スライダー、フォークのキレも良い。打線は主将の蛭間拓哉(3年)が力強い打撃でチームを引っ張っている。2回戦の仙台育英(宮城)戦ではホームランも放った。タレント性の高さも発揮している。
 
 木更津総合はいつもほどの投手力はないが、確実性の高い打撃で、1、2回戦を無難に突破した。エースで4番の野尻幸輝(3年)が大会前から注目を浴びたが、1番の東智弥(3年)の調子がいい。2回戦の興南(沖縄)戦では貴重なホームランも打った。その興南戦では試合巧者ぶりを発揮して7-0で快勝。投手は野尻と最速148キロの右腕・根本太一(2年)が2試合に登板して、好投を見せている。千葉復権に期待は高まる。
 

台風の目

 
 大会に入って台風の目になっているのが近江(滋賀)と常葉大菊川(静岡)、下関国際(山口)だ。
 
 近江は1回戦で優勝候補の智弁和歌山(和歌山)を撃破した。4枚の投手を繋いでいく“継投マネジメント”は対戦校をあっと驚かせている。また、智弁和歌山戦で2本塁打をマークした北村恵吾(3年)の評価もうなぎ上りだ。
 
 その近江と3回戦で対戦する常葉大菊川も手ごわい。10年前の準V校だが、フルスイングの打撃力をそのままに守備力が鍛え上げられている。「自分で考えながらプレーする。常にチャレンジして欲しい」と高橋利和監督は言う。ノーサインで選手たちがアグレッシブにプレーしているのも注目だ。
 
 下関国際は2試合とも、9回に同点に追いつく粘り腰が光る。エースの鶴田克樹(3年)が失点をしながらも大崩れせずにゲームメーク。後半勝負に持ち込み、打撃陣が最後に結果を出している。2回戦の創志学園(岡山)戦では、初戦16奪三振のエース西純矢(2年)を攻略した。坂原秀尚監督の戦略も見事にはまっている。
 
 そのほかでは、2011年の覇者・日大三(西東京)の打撃陣が好調をキープしているところに、大会に入って投手陣が整備されつつある。同じ東京の二松学舎大付(東東京)は持ち前の攻撃力と後ろにエース岸川海(3年)を置いた継投策がハマっている。
 
 ドラフト候補・小園海斗(3年)がいる報徳学園(東兵庫)は堅実な野球が光り、2回戦で8点差を逆転勝ちした済美(愛媛)、2回戦を大勝した愛工大名電(西愛知)など実力校が上位進出を伺っている。

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