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浦和学院・森監督が勝利に涙「思い強かった」。5年前の教訓を胸に攻守で隙与えず【全国高校野球】

2018/08/12

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<第8日 第2試合 2回戦 ○浦和学院9―0仙台育英●>
 
 第100回全国高校野球選手権記念大会は12日、阪神甲子園球場で第8日を迎え、第2試合では浦和学院(南埼玉)が仙台育英(宮城)を9-0で快勝し初戦突破を果たした。
 
 2013年の同大会で仙台育英にサヨナラ負けを喫し浦和学院は、そのリベンジに燃えた。打線は初回、1死二、三塁から5番の佐野涼弥(3年)がライトへ2点タイムリー安打を放ち先制。
 
 その後も、3回は矢野壱晟(3年)のタイムリー三塁打などで2点、8回には3番の蛭間拓哉(3年)が左中間へソロ本塁打を放つなど2点を加え、6-0と試合を優位に運んだ。
 
 守っては、背番号「11」を付ける先発の渡辺勇太朗(3年)が、自身最速タイとなる149キロを計測し6回無失点に抑えたのをはじめ、野手陣も堅守で仙台育英打線に隙を与えなかった。
 
 9回にも3点を加え、投手陣も4人を要して盤石に試合を進めた浦和学院は、9-0で快勝。5年越しのリベンジを果たし、3回戦進出を決めた。一方の仙台育成は、中盤に3イニング連続で走者を得点圏に進めたが無得点。9回も2死一、二塁と食らい付いたが、後続が凡退し反撃できなかった。
 
 試合後、浦和学院の森士(おさむ)監督は、2013年に敗れた相手に勝利したことを受けて「選手が頑張ってくれた。OBを含めて、この一戦に懸ける思いは強かったので、それを選手たちがよく繋げてくれた」と目に涙を浮かべながら話した。そして、攻撃に関しては「相手が機動力に自信を持ってくると思っていたので、引くことなく、ウチも積極的に走っていこうと。(球種の絞り込みは)何を狙ったというよりも、選手たちが自分で考えて投げたり走ったりするという形で、ほとんど選手たちに任せた。中盤の蛭間の一撃はチームに大きな勇気を与えたし、みんながとにかくシャープに振り抜こうと臨んだことが良い形に表れたと思う」と、蛭間を中心に12安打9得点と自慢の猛打を見せた内容を称賛を惜しまなかった。
 
 また、相手打線を無失点に抑え込んだ投手陣については、「渡辺はまだまだ体力的に足りないところはあるが、渡辺を含めて永島(竜弥)、美又(王寿)、河北(将太)と予選の時から投手リレーで勝ち上がってきたので、今日もそれでいこうと尽くした」と話し、継投のタイミングは「(6回を投げた)渡辺に(相手が)合ってきた。それとともに相手が左打線に変えてきてる中で、選手を信じて全員で戦っていこうと。5年前に小島(和哉)を1人悲しい思いをさせてしまったので、その真価もこの試合で問われるという思いで投手を切り替えていった」と、当時延長戦で2年生エースに182球を投げさせたことへの課題と教訓を基に、この試合での戦術に手応えを感じた様子だった。
 
 一方、6回90球を投げて無失点と好投した渡辺は「今日は自分の出来る準備をして、しっかりマウンドに上がることができた」と話し、自己最速の149キロを計測したことについては「さらに球速も出そう」と頼もしいコメント。そして「次の試合も連投して、目標は全国制覇」とさらなる高みへ意気込みを語った。
 
 投打が噛み合い勝利を収めた浦和学院。次戦の3回戦は大会第12日の第2試合で、相手はこの日の第1試合で広陵(広島)に勝った二松学舎大付(東東京)となっている。