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日南学園・辰己「出来すぎ」奪三振1で完封 相手打者を研究した控え選手のサポート結実【全国高校野球】

2018/08/08

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 第100回全国高校野球選手権記念大会は8日、阪神甲子園球場で第4日を迎え、第1試合では2年ぶり出場の日南学園(宮崎)が丸亀城西(香川)を下し初戦突破。2回戦進出を決めた。
 
 2年ぶり出場の日南学園と13年ぶり出場の丸亀城西の戦いは、日南学園・辰己凌晟(3年)と丸亀城西・大前輝明(3年)の両先発による投手戦となった。お互いテンポの良い投球と安定した守備が光り2回まで無得点。
 
 静かな立ち上がりを見せた試合を先に試合を動かしたのは日南学園。3回に1死三塁のチャンスを作ると、1番の中原一颯(3年)の中前タイムリー安打で1点を先制した。
 
 援護をもらった辰己は、徹底した打たせて取る投球がさらに勢いを増していく。奪三振0のまま8回まで85球、被安打3とほぼ完璧なピッチング。2-0とリードして迎えた9回は、先頭打者からこの日初めて三振を記録し、直後に内野安打を1本許したが、盗塁を試みた走者を捕手の蓑尾海斗(3年)による好送球で刺して相手に隙を与えなかった。
 
 結局、辰己は投球数99球、被安打4、奪三振1、無失点の好投で今大会2人目となる完封勝利を収めた。日南学園は98回大会に続いて出場2大会連続で初戦突破。
 
 一方の丸亀城西は、4回と7回に走者を得点圏に進めるもあと1本が出ず。2失点で9回完投した大前を最後まで援護できなかった。
 
 試合後、日南学園の金川豪一郎監督は2-0での勝利に「まさかこんなロースコアになるとは思わなかった」と話し、「辰己が辛抱強く投げた結果、こういう勝ち方ができて良かった。部長やコーチ、控えの選手が相手の打者を研究して、そのデータを基にしっかり組み立ててくれた」と周りのサポートが生んだ辰己の完封を称えた。
 
 そして、辰己も「野球をやってきた中で、一番良いピッチング。自分の中では出来すぎ。バックが守ってくれた」と仲間への感謝を口にし、「低めに投げて、打たせて取ることを意識した。それが狙い通りできた」と納得した様子だった。
 
 敗れた丸亀城西の河本浩二監督は「(先発の)大前は良く投げた。期待に応える投球をしてくれた。それだけに、今日のゲームは残念」とエースの好投を労いながらも、惜しい試合に悔しさをにじませた。
 
 勝った日南学園の次戦は、第10日の第1試合。相手は7日の第4試合に勝利した常葉大菊川(静岡)となっている。